第6話 社会には危険がいっぱいである。

なんやかんやで2年生が始まってから1ヶ月が経っていた。

ということは高橋さんがうちの高校に来てから1ヶ月経ったということで、最初は得体のしれぬ、新種の地雷のような雰囲気をまとっていた高橋さんだが、いまでは見違える変貌を遂げていた。


「みんなぁーおっはよう!

あっ。相馬君今日は朝早かったね、なんで?おかげで宿題移せなかったじゃー

ん」

「いや、なんとなく、、うざかったから((ボソッ」


「え?なんでよ〜私そんなにウザい?」


「うん。例えばそうやって人のやってきた宿題を写せるのが当然と思っているとことか、わざわざ『ウザい?』って聞いてくるとことか。」


「えー、相馬君ケチだな〜〜〜 じゃあ、こうしよう!

教室にお集まりの皆さんー 私に宿題を見せてくれる人を募集します。

さぁカモンヌ!」


「いや、高橋。それで見せてくれる人は誰もいないだろ。せめてなんか対価を用意して初めて交渉は始まるものだ。」


「おっ!そうか。さすが相馬君、私が見込んだ通り賢いね。ムムムムッ〜〜

じゃあ、見せてくれた人には私との親密度が20上がります。さぁどうですかー?」



(いや、乙女ゲーかよ。しかも見せるだけで20はチョロすぎだろ)


「わ〜。相馬君、誰も見せてくれないよーーー。」

「残念だったな。はぁ、しょうがないから僕が見せてあげるよ。」

「やった!やっぱり頼れるのは相馬君だけだね。」

「はいはい。」


そこで、一旦収束したと思ったが、思いがけぬことが起こった。


「おい。そこのお前、高橋だったか?うるせぇんだよ。朝からギャーギャー騒ぎやがって。こっちは超絶優雅な気持ちで気持ちよくなってたのに、てめぇのせいで萎えたじゃねえか。どうしてくれんだよ。」


いかにもなやつに絡まれ、柚木は萎縮してしまった。

だが、そこで負けるような柔な心ではなかったため、言い返してしまい、それがデットヒートという爆弾を誘発する地雷と気づくのは後の祭りだった。


(はぁ、厄介な事になってしまった。しかも言い返してしまったのだからなおのことだな。)


と思ったが、そんなことことは普通に起こり得ることで、そもそも人間というのは大抵自分勝手で、個は他とは違うので、相違が起こるのは必然であるのだ。

ゆえに、人間関係というの単なる地雷で、それが絡み合って構成される学校という組織はよもや地雷原であるのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

色々と、ちょっとおかしい高橋さん Reign @yuonmi_Emaru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る