ハーレムパーティ野郎は男友達が欲しい(切実)

いまノチ

男友達が欲しいイケメンなハーレム野郎

【白百合の騎士団】は有名なAランクパーティである。

個人ランクS級冒険者がリーダーという事も理由の一つだが、そのリーダーのカノンが超絶イケメンであり、他のメンバーが全員女性で容姿が優れている事も要因だ。カノンのハーレムパーティだと揶揄されている。


男が多い冒険者の中で、そのパーティは異彩を放っているのだ。当然かなり妬まれている。

ランクが低かった時には高確率で絡まれた。カノンがS級になり、有名になってからは直接絡まれる事は少なくなった。遠巻きに妬みの視線が送られるが。


今も、冒険者ギルドの注目を集めている。

カノンと、5人のパーティメンバーが来ているからだ。


ロリっ子魔法使いのアメル。

清楚系の回復士ユユラ。

姉御麗人の剣士シャロ。

元気っ子猫の獣人斥候ジュリ。

お色気美女の結界師ロラ。


魔法剣士のカノン。


みんな、顔がいい。

目の保養になる。

特にカノンは一際美形なのだ。

見惚れそうになりながら、いやいや野郎だと内心で言い聞かせ何とか男達はカノンを睨む。妬ましくって睨んでるんだよ、決して見ていたい訳じゃないよ。と誰に言うでもない言い訳をしながら。


正統王子様系と言われて納得の金髪碧眼の優男。

一見細身に見えるが、服を着てても鍛えてるとわかる体躯。

凛々しく涼しげな眉目。

スッと通った形のいい鼻。

薄桃色の小さな唇。


現在17歳である為か、まだ幼さを残しており、それがまたいい感じで・・・・


と、危うい思考になりかけた男冒険者はブンブンと頭を振るう。



あいつは男。あいつは男。美女達侍らせてるいけ好かないハーレム野郎。







と、まぁこんな感じでカノンは男冒険者達に妬まれてる(?)のだ。

因みに女冒険者からは、鑑賞用と言われてる。町娘からは遠目からキャーキャー言われてるが、綺麗過ぎて隣には居たくないとの意見だ。





そんな彼には切実な願いがあった。









「・・・男友達が欲しい」


ポツリと、パーティホームの掃除をしながらカノンは呟く。

掃除洗濯料理は全てカノンが行っている。女子達はやらないし、やらせられないし、やらないでくださいなのだ。大惨事になるので。


「えー?なに?ボーイフレンド彼氏欲しいって?オススメはギルマスかなー?」

と、真面目な姉御タイプに擬態している不真面目駄目姉貴系なシャロ。


「・・・【火炎の焔】のギオンさん」

と、本当は陰キャだけど、外だと陽キャな猫っ子ジュリ。


「ギルマスもギオンもおっさんじゃん!やっーぱ、ここは孤高のSランク《迅雷》ロドルグ様っしょ!」

と、お色気お姉さんっぽいギャルのロラ。因みに発育がいいが最年少の14歳だ。


「大穴で、この前の新人ショタくんは?私はもう少し若い方がいいけど」

清楚系?何それおいしいの?寝転がって煎餅をバリバリ食べてるユユラ。床に食べかすこぼすな。


「【白銀の虎狼】の荷物持ちのシルダ君もいいと思うわよー?主婦同士話が合いそうだしー、平凡×美形で良いわよー」

と、最年長な外見ロリっ子なおっとりまったりお婆ちゃんのアメル。



姦しいパーティメンバーをカノンはジト目で見た。



「僕は、同性の友達が欲しいの!普通の!」


腐ってやがる女達はそれを無視して盛り上がっている。


因みにカノンと彼女達の間には恋愛感情は無い。一応言っておくが肉体関係も無い。

出会った頃、外面を見てドキドキした事はあるが、直ぐに本性を知ってカノンの恋愛感情は死滅した。

彼女達の方もカノンは全く恋愛対象ではない。


シャロとロラは同性愛者だし、ジュリは毛深い男が好きで体毛が薄いカノンの卵肌はお呼びでないし、ユユラはショタコンで十歳若ければなぁと残念そうな目で残念な事言うし、アメルは既婚者だ(旦那さんは杖の中に居る闇の精霊王)。


ハーレムパーティとか言われてても、こんなものだ。

カノンは恋人がいたこともないし、童貞である。因みに処女でもある。

生まれ故郷では女の子より可愛らしいと、女の子に嫉妬されて、男の子には(初恋の拗らせ)でいじめられていた。

成長しても、顔が良過ぎ、肌プルプル過ぎ、睫毛長過ぎ、髪サラツヤ過ぎ、小顔、美脚、等々で一緒に居たくないと女性達から敬遠されてしまった。

中にはアプローチしてくる猛者も少なからずいるが、大体はアクセサリー扱い、金蔓扱いなのだ。

まぁ、下手に仲の良い女の子作ると周囲があんたじゃ釣り合わない、アイドルは不可侵だとか女の子に攻撃して離れていくケースもある。(パーティメンバーは文句言えないほど容姿端麗で実力もあるので責められない)


なんだかんだあり、彼女を作るのはもう半ば諦めてる。あ、いや、だからって彼氏を作るつもりもないが。


せめて、男友達欲しい。同性の友達欲しい。

友達も居たこと無いのでずっと憧れてたのだ。

冒険者になってからは余計に男同士の友情に目が行き、見ていて楽しそうで羨ましい。(パーティメンバーはBL妄想始めるが)


実は何回か男冒険者がパーティに入った事があるのだが、仲良くなりたい!と接して数日で「開けちゃいけない扉開きそうだから抜ける」とか「我慢ができない、無理」とか言って去っていった。(あからさまに女子達目的や寄生目的で入れてくれと言って来るのは絶対に入れない。)

そして何だかんだでこんな男女比のパーティ構成になったのだ。





「【白銀の虎狼】のシルダさんか・・・」


荷物持ちポーターだが、器用でしっかりもので、パーティの裏方を一手に引き受けている縁の下の力持ちだ。アメルは平凡とか失礼な事言ったが、中肉中背で、茶色の髪と目である為にそう思えるのだろう。20歳だが、カノンより年下に見える童顔で結構整っていると思う。・・・なんだろう、ふと主人公顔と過った。


性格も穏やかだし、仲良くなれればなぁ、と思うが、あのパーティのリーダーにカノンは思いっきり嫌われてるのだ。


女好きで有名で、以前レイドを組んだとき、散々絡まれた。

アメルの旦那さんがぶちギレて危うく殺しかけたのを助けたが、地面に押し倒したのが不味かったのか、それ以来顔を真っ赤にして怒るのだ。


この前、ギルドのBランクパーティ以上のリーダー会議で隣に座った際、会議中に尻や太股をつねられたし、会議後は壁に押し付けられ、嫌がらせで身体中擽らて、しまいには首噛まれたのだ。

ホント、嫌われてるな。




「はぁ、男友達欲しいなぁ・・・」



今日の夕飯何にしよう。
















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《人物紹介》

・カノン・

正統王子様系イケメン。金髪碧眼(青寄りの緑)。17歳。

目茶苦茶強い。個人ランクS級冒険者。

Aランクパーティ【白百合の騎士団】のリーダー。

古き時代だったら主人公、近代では主人公の前に現れるハーレムパーティ野郎(ライバルor当て馬or悪役)っぽいイメージから誕生したキャラ。(この説明でわかりますかね?)


何でも出来るハイスペックだけど、苦労人。

女からの好意はわかるが、男からだと鈍感。


・ロリっ子魔法使いのアメル・

外見10歳だが、実はそろそろ4桁なご年齢の魔女。闇の精霊王の妻。銀髪、赤目。

おっとり、まったりで、少し天然が入ったお婆ちゃんだけど、外では寡黙無表情のミステリアス天才魔女な美幼女(旦那さんの要望)。

年期の入った貴腐人。五百年近く推しカプは炎の精霊王×闇の精霊王(自分の旦那)だったが、カノンに出会ってからカノン受けに目覚めた。カノンは旦那さんにちょっと感謝されてる。

パーティメンバーを腐らせた張本人。


・清楚系の回復士ユユラ・

23歳。ショタコン。金髪青目。

外面は清楚系で聖女をイメージしてるが、家では女を捨ててる。

5歳以上8歳未満がベストなショタコン。

その年齢のカノンに出会っていたら絶対に道を踏み外してた。

ショタ×カノン推し。


・姉御麗人の剣士シャロ・

28歳。赤髪、緑目。

しっかり者で真面目な姉御で、パーティのまとめ役・・・と他からは思われてるが、不真面目だらしない姉貴系。

女の子大好きで、実は男嫌いだが、カノンなら平気。(男嫌いの原因となった)兄達しか居なかった為、弟良いかもとカノンを可愛がっている(つもり)。

唯一のカノン攻め推し。というか、男臭い漢を雌堕ちさせて欲しい。


・元気っ子猫の獣人斥候ジュリ・

猫の(猫耳猫尻尾のみの8割人間なタイプの)獣人。オレンジに近い茶色の毛に、青と金のダブルオッドアイ。16歳。

元暗殺者。色々あって冒険者になった所をカノンと出会い、パーティに入る。

外でははっちゃけパリピな元気っ子な陽キャだが、本当はテンション低い陰キャ。家(パーティホーム)では布被って部屋の隅で体育座りしてじっとしてる。

毛深い人が好き。カノンは体毛が薄いので恋愛対象外。胸毛や脛毛はボーボーの方が良い。獣人は8割獣タイプの方がいい。

獣人×カノン推しではある。



・お色気美女の結界師ロラ・

どんきゅっぽんで、口元に黒子がある色っぽいお姉ちゃん、に見えるが、最年少の14歳。黒髪、紫目。

未亡人やら、愛人やら渾名を持つ。

実年齢を殆ど知られていない。

外では背伸びして大人っぽく振る舞っているが、ギャル。大人達がジェネレーションギャップを感じること多々ある。

子供舌で、苦いもの辛いもの酸っぱいもの嫌い。ピーマンとニンジン、トマト嫌いの為、カノンが工夫して食べさせてる。カノンの料理大好き。ハンバーグ食べたい。

色々良く見ていて、気付ける子。

故郷にいたとき同性愛者だと気付いて悩んでいたが、カノン達に出会って、吹っ切れた。

ギルドの受付嬢のアイリーンさんに片想い中。

結構真剣にカノンを任せられる《男》を探してる。





・ギルマス・

カノン達が拠点としてる都市の冒険者ギルドのマスター。元Sランク。55歳、バツイチ、10歳の娘がいる。

ムキムキ兄貴系。


・ギオン・

【火炎の焔】という火属性が集まったやべぇパーティの盾役。狐の獣人で8割がた獣タイプ。もふもふ。尻尾が九本有る。もふもふ。

戦闘中青い炎に包まれている。たまに仲間の炎で毛が焦げる。



・ロドルグ・

《迅雷》の2つ名があるS級冒険者。

24歳で、寡黙な武士。強面で、近寄りがたい雰囲気がある。

以前カノン達とSランク依頼で共闘した事がある。

ただの良いお兄さんだとロラは気付き、カノンに推してみた。



・新人ショタくん・

12歳の新人冒険者。たまたま薬草採集の低ランク依頼で、高ランクモンスターに襲われたのをカノンが助けた。

強くなったらパーティに入れてください!とお願いしている。きっと強くなる。



・シルダ・

同郷幼馴染みで結成された【白銀の虎狼】のパーティの荷物持ち。茶色の髪と目。20歳。

戦えないからとパーティの裏方を一手に引き受ける。

無能だと追放されて実はパーティに欠かせなかった気付いてももう遅い的な話の主人公をイメージして誕生したキャラ。

この話ではリーダーの手綱をちゃんと握ってるので、追放はない。カノンにセクハラしたリーダーをぶん殴って止めて、カノンに平謝りした後、拠点で正座させて叱った。



・セクハラリーダー・

【白銀の虎狼】のリーダー。ちょっと狼の獣人の血が混じってる。20歳。

女好きだったのに、カノンに押し倒されて助けられた時、扉が開いちゃった。

会議で隣に座ったら、カノンの匂いにドキドキムラムラしちゃって手が出た。

シルダにぶん殴られて回収されなかったら、そのままやってた。(カノンの方が強いので本当にやれるかは謎だが)

追放ざまぁ系の、ざまぁされる側のイメージで誕生したキャラ。

この話ではシルダに頭が上がらないので追放はない。


カノンが鈍感で気付かなかったセクハラ

・尻や太股をつねられた→尻や太股を揉んだ

・身体中を擽られた→身体中を撫で回した

・首を噛まれた→耳から首にかけて顔を埋めて匂いを嗅ぎ、首を舐めた後、自分の痕をのこす為に噛んだ

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