第193話 コンマ0.01秒の軌道修正-G-
今の暦は、
でも、代わりに装備している武器の魔力ゲージを上昇させることで、魔法の威力を向上することができる。
俺のあやつる〝ロンリー〟は、ブラック=ホウセンの猛攻を大楯でしのいで魔力ゲージを上昇させ、後ろに控える
そして、
〝フーター〟の猛攻を受けて、ブラック=ホウセンのHPはたちまち点滅をはじめる。
「よし! 大楯の魔力ゲージがマックスになった」
「こっちも、棍棒と
「そんじゃ、クーちゃん、ブラック=ホウセンをぬっ殺すのだ!」
「りょーかいのすけ!」
バシューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
〝
『すげえ!』
『めちゃくちゃ高くね!』
『さっきよりも随分ジャンプしたな!』
『え? まだ伸びてくの?』
『おいおいおい! どこまで伸びていくんだよ!!』
『すげー。地平線が丸いよ!』
『地球は丸かった!』
『ん? この世界、地球なのか?』
『しらねw』
『そういやフーターはどこいった?』
『あ、ねぎっこと一緒に飛んでいる!』
「にゃははは! 高い高い!」
〝フーター〟は、〝ねぎっこ〟にワイヤーをブッ刺して、一緒に天高く空中を舞っていた。
「じゃあ、行くし! 〝
キラリン! ギュルルルルルウ!!
〝ねぎっこ〟の
「にゃははは! すっごい回転なのだ!」
モニターで、キャラクターを背面視点で操作している
「にゃははは! ぐるぐるぐるぐる! 面白い!!」
『ん? これって?』
『陰陽導師の〝
『ドリルの効果ってなんだっけ?』
『防御無視の多段攻撃』
『マックスのレベル3で、しかも今は〝
『なるほど! これでブラック=ホウセンの延髄を直撃してオーバーキルを狙う計画か!!』
『でも、ちょっと現実的な戦法ではないですね。ドリル化した武器は、先端がぶれて命中させるのが難しくなりますから。
いくらロンリーが囮になっているとはいえ、高速移動が持ち味のブラック=ホウセンの凍った延髄の中心を、ピンポイントで捉え切れるかどうか……』
大丈夫だ。問題ない。
そのために、俺がいる。
俺は勤めて冷静に、大楯を地面に押しつけて〝
ジャキン! ジャキン! ジャジャキン!!
『ギャオオオォォォォォォオ!』
地中から大量の剣山が迫り上がって、ブラック=ホウセンの足を串刺しにして動きを封じた。
『おお、さすがロンリー』
『ナイスアシスト!』
『ひょっとしたら、これはいけるんじゃないか? オーバーキル!』
『行け! ねぎっこ!』
『ぶちかませ!』
ギャラリーは、大賑わいだ。
だけど、〝ねぎっこ〟をあやつる
「ダメ! 失敗だし! 狙いが体ひとつ分ズレちゃったし!!」
大丈夫だ。問題ない。
そのために、
「軌道修正。ポチッとな」
バシュ!
ブラック=ホウセンに攻撃があたる刹那、
ワイヤーにひっぱられて、ほんの少しだけ軌道が変化した〝ねぎっこ〟の超高速ドリルキックが、ブラック=ホウセンのカチンコチンに凍りついた延髄のど真ん中に命中した。
Finish!
OverKill!
OverKill!!
OverKill!!!
ブラック=ホウセンは、氷漬けの首を粉微塵に破壊されて、ハラハラと崩れ去っていった。
ゼロ距離な彼女。〜親ガチャ再抽選でSSR美人おねーさん姉妹との同居生活が確定しました。距離があまりに近すぎてHPが一桁です。〜 かなたろー @kanataro_
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