第4話 篠原くるみ
委員会の集まりの日。
その主人公対象の子の名前は篠原くるみだ。どんな子なのかは、実際に合わないとわからない。
資料的には内気な感じだと書いてあったが、この資料は時々あてにならない。
そして、クラスメイトと何らかのトラブルもあるみたいだが、これも同様に当てにならない時がある。
一度、元気で明るい女の子と説明に書いてあったのにも関わらず、実際話してみると、愛犬が亡くなってしまったせいでどん底に性格が根暗になってしまっていたと言うケースもある。
これは仕方ないことだ。
僕の家でも犬を飼っているが自分の愛犬が亡くなるなんて考えたくもないぐらい辛い。
あと、なんといっても人の人格形成は中学までといわれるので、いつの情報かによって変わってくる。
それの影響もあったりするんだろうけど。
とにかく、内気でも意外と明るかったりするので、人当たりいい感じでとりあえず攻めることにする。
多少は、いつものキャラを出しつつも。
慣れてきたら、出せそうならキャラを出すことにしよう。
各クラスから1名ずつの保健委員は学年順に席が決まっていた。
たしか、篠原くるみはE組で俺がC組だから1人挟んだ先に人だ。
俺は自分の席に座る前に自分の列の後ろをちらっと見た。
写真の篠原くるみは一本の低めのポニーテールだった。
よしっ!低めポニーテールを発見。
なんとか、存在を確認できた。
「保健委員でキャンペーンとして、やっていた毎月1回のポスターですが、最後の月は高校2年生が担当します。」
ポスター、俺はこう言う共同作業系を待っていた。今回は運がとことん俺の味方をしてくれるらしい。
「‥これで終わりますが、ポスター作りの高2だけ残ってください。」
他学年がそそくさと自教室に戻る中、高2だけ教室に残った。
高2だけになった後、俺は後ろ向きになった。
後ろを向くと篠原くるみは何故か俺の目をじっと見つめていた。
「なんか、顔についてる?」
俺は篠原に笑いかけて言った。
「‥。あ。」
なんだ?別に返事をしているわけでもないあ?とは、、?
「あれ、なんで蒼がここにいんの?」
後ろを向くと、他クラスの知り合いの駿太がいた。
駿太とは、以前の担当者に近づく際に仲良くなった人である。
「へへ、なんでだと思う??」
「あー、村中の代わりか!?」
「そうそう、転校しちゃったからさ。」
俺はチラッと篠原くるみの表情を見た。
彼女の目線は落とされていた。
「じゃあ、始めよう。」
俺らは机をくっつけた。
「ポスターなんだけど、ここには5人いるから2人2人3人ぐらいで工程を分けてやるのはどう?」
駿太の意見にみんな同意した。
「じゃあ、背景と、メッセージ、保健委員の必須事項の内容と3つに分けよう。」
「背景やりたい人いる?」
今回のポスターで背景はたぶん、時間が一番かかる仕事だ。
面倒くさいし、やりたい人はあんまりいないはずだが、
「篠原さんって美術部だったよね?」
1人の女子が言い出した。
「いいじゃん!篠原さん良ければ背景やってほしい!」
他の男子も同調した。
おいおい、これは、俺の嫌いな流れだ。
一見、良ければとか言って相手に選択肢を提供してるように見せかけて、周りから囲んで本人に拒否権をなかなか与えない形を作り出す。
そもそも、篠原さんは美術部だが、陶芸が得意だって資料には書いてあった。
絵が好きで得意な可能性もあるけど、絶対そうだという保証があるわけじゃない。
くそっ、仕方ない。空気を変えてやる。
「俺、絵は結構、得意なんだよね!」
咄嗟に自慢げに俺は会話に入り込んだ。
「嘘〜。絶対下手くそでしょ!」
みんな俺の方を見た。
みんな、俺の絵が絶対下手くそだと思って笑っている。
俺への先入観あざす。
駿太が
「じゃあ、1人は蒼ね。ちょっと、心配だけど。」
心配だけどね‥。
じゃあ、君がやればいいのにね。
おっと、笑顔笑顔。
「私、せっかくだし、やります。」
俺は、篠原さんの声を初めて耳にした。
まさか自分からきてくれるとは、俺は思っていないかった。
篠原さんナイス。
「ほんと!助かる!!蒼をどうにかしてやってくれ。」
「おい、どう言うことだ!」
周りはまた笑った。
その後、続々と各役割がスムーズに決まった。
そして、予鈴のチャイムが鳴り、みんなはそそくさと解散した。
脇役の学園生活はこれからです。 HAMAKOBO(かまぼこ) @hamako7777
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。脇役の学園生活はこれからです。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます