妖怪、九尾きつねと化けたぬき。といっても、怖い子達ではありません。自分たちを見て人間が驚いたらいけないと気づかい、イケメンに化けてくれるという、とってもいい子です。
そんな二人が興味を持ったのは、人間の街にあるという、赤と緑の美味しい食べ物。「赤いたぬき」と「緑のたぬき」です。
そうして街にやって来たのはいいけれど、お金がありません。いい子たちですから、葉っぱで誤魔化したりもしません。ならいったいどうしたのか。クリスマス間近のケーキ屋でアルバイトをしたのです。
一生懸命働く二人が、とっても可愛く微笑ましい。こんなきつねとたぬきなら、いつでも街にやってきてほしいです。
人間の街には、美味しい食べ物がある。赤と緑の、美味しい食べ物が。
そんな噂を聞いた、仲良しの九尻きつねと化けたぬき。二人はその美味しい食べ物を求めて街に行きますけど、残念お金がありません。
けど、なかったら稼げばいいのだ。
と言うわけで始まった、九尾きつねと化けたぬきのアルバイト。
人間に化けて、クリスマス間近のケーキ屋でせっせと働く二人。その働いている様子や、お目当ての美味しい物、『赤いきつね』と『緑のたぬき』を夢中になって食べる様子が可愛いこと。
こんなきつねとたぬきなら、うちの街にも来てほしい。二人がお手伝いして作ったケーキを食べてみたいし、美味しい物をご馳走してあげたいです!
文章は絵本のような優しい語り口調で書かれていて、読んでいて心がなごみました。
クリスマスが近づいた頃に、もう一度読みたくなるお話です。