ブルーorホワイト&プロレタリアorブルジョワ

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「つまんない奴だな君は」

久方ぶりに会った友人から言われた言葉に、動じる。

「工場だっけ。そんな仕事じゃ人生買えないよ。もっと大きな夢を見ないと」

俺はお前とは違う。暗にそう言っている。

「一生懸命に工場で汚れながら働いて幾らになる。一時間幾らの仕事でこき使われて悔しくないのか。お前は、お前の貴重な時間を搾取されているんだよ」

ご大層な台詞だ。お前のその着ている服は、乗っている車は、食べている料理は、電気は、水は、糞を流せるのは、いったい誰のおかげだというのだ。一人じゃなにもできないくせにまるで自分が特別みたいな顔しやがって。金なんてのは本質的にまるで意味がないんだ。生きるうえで、生きていくうえで……

しかし、誰もが皆、金のために働いている。服も車も料理も電気も水も、糞の処理だって全ては金のために、金だけのために……

「なぁ。いい加減抜け出そうぜ。今の生活からさ。悪いようにはしないよ。俺と一緒に、金を稼ごう」

……友人の言葉が響く。安い金を得ている俺と違って、奴の全ては、光っていた。

金か。金か。金か……