15話.《ソウル》
「そうだったのですか。全く見覚えがありませんでした」
「ええ。私も目にした時はビックリしたのよ。それにアレは魔法では無かったの」
「え?魔法では無いのですか??」
俺はリリシア先生の発言に耳を傾けた。
「では、魔法では無いなら何だったのですか?」
「私も分からないの。でも、一つだけ確かに分かることがある。それは...《ソウル》。つまり、魂に関係してる何かだと思う。カズマくんは毎回技や治癒術を使う時に《ソウル》という言葉を発していたわ」
「言われてみれば、そうですね。さっきの話を聞いてる限りだと全ての術に《ソウル》という言葉が入ってました」
「ええ。では、その謎の力を仮に《ソウル》と呼びましょう。今分かっていないことは《ソウル》の発動条件と、何故あの時に発動したのか。またどのような力が宿っているのかだね」
俺とリリシア先生は複雑な話にのめり込んでいった。
「そうですね。この通り僕も全くあの時の記憶が無いですし。これから少し外で色々と試してみるのはどうですか?」
「良いですね。では、昨日の被害で学院には今誰もいないので学院の方で試しましょう」
「分かりました」
俺とリリシアの交渉は成立したが、ただ一つ問題があった。
そう、ソフィアとエリナについてだ。
「では、ソフィアとエリナはどうしますか?」
「そうですね。私の家で待っててもらうのはどうですか?」
「確認してます」
俺はソファから立ち上がり階段の方へと向かった。そしてソフィアの名を読んだ。
「ソフィア?」
「何ー?」
すると、直ぐにソフィアの返事が返っていた。
「ちょっと俺、今からリリシア先生と出かけてくるけど、エリナと一緒にリリシア先生の家で待っててくれる??」
「分かった」
ソフィアは簡単に許可をくれた。そして、俺はソファへと戻りリリシア先生に伝えた。
「ソフィアから了解を得ました。では、行きましょうか?」
「そうですね。私、少し着替えてくるのでここで待ってて下さい」
「分かりました」
そうして、リリシア先生はソファから立ち上がり二階へと上がっていった。俺はテーブルの上にあった少し冷めた紅茶を啜ると、目の前には先ほどとは違う服装をしたリリシア先生がいた。
「もう、着替えたのですか??早いですね」
「そうですかね!?それでは行きましょうか?」
「はい」
そして、俺とリリシア先生は家を出て学院へと向かった。
この時、俺は自分に迫ってる最悪の運命にはまだ気付いていなかった。
ノーソウル・ア・ライフ よっしーよっ君 @yoshi904
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