ある日、とある心の傷を抱えた冷めた大学生がいました。この方が主人公です。
このままでは就活が危ういと感じ、ふと立ち寄ったスーパーで聖流さんと出逢います。
パート勤務でも店を仕切るスーパー仕事人の聖流さん。
しかし、私生活は謎だらけ。
聖流さんの心を読めないながらも少しずつ距離を縮める主人公。
その中で主人公は己の傷と向き合うことを進めていく。
仲間が増え、スーパーのバザールを盛り上げていこうとした矢先の大波乱。
果たして、スーパーの運命は?
聖流さんの謎とは?
働くのは大変です。
この小説は働く真摯な姿を伝えています。
人生はある手札でしか勝負出来ない。しかし、使い方次第では覚醒する可能性のあることを示す主人公の熱意を感じ取れました。
是非ともご覧下さいませ。
何でも良い。熱中出来るものがあれば生き甲斐は見付かります。
それを訴える物語でもあります。
後、展開が気になって徹夜で読んでしまったです。
スーパーを舞台に、売り出しコーナー『エンド』を主軸として、主人公の棚森創と徳梅聖流、そして周囲の人々が繰り広げる、上質なお仕事モノ作品でした
誰しもが日常的に利用している場所でありながら、その細かい実情などは、従業員や業界を経験した者しか知らないのだなと実感しました。初見の情報がたくさん出てきて、勉強にもなります。
読みやすい文体かつ、1ページが長くない・細かい章分けでもあり、スイスイと最後まで読み進められました。
その流れの中で、創の成長や、年下大学生を翻弄する聖流さんのやり取りは、非常に『青春』していたと思います。中学生や高校生が主人公じゃなくとも――中々詰められない距離感や、スマホの画面を見つめて「返信はまだ来ないかな」と待ち望んだりと――シッカリと甘酸っぱさを感じました。
そして最終盤では、なぜ聖流が他人と『そういう距離感』で接するのか、二人がそれぞれどんな傷や痛みを抱えているのか、そこから再生していく様子など、とても満足のいく読後感を味わえました。未来への希望や明るさに満ち溢れており、まさに『最高に心動かされるエンド』だったと思います。
売り出しコーナーとは、店員とお客様との対話でありコミュニケーション。そして人と人の繋がりも、相手の心を思いやることから始まる。内容や展開がテーマとリンクしている作品は、それだけで好感が持てます。
ただ欲を言えば、終盤のバザールの秘策や展開が予想できてしまったので、もう少し意外性やアッと驚く盛り上がりを入れて欲しかった気持ちもありました。
しかし逆を言えば、それ以外に欠点らしい欠点が見当たらない、素晴らしい完成度でした。お仕事モノとしても恋愛ストーリーとしても高品質だと感じました。面白かったです。
まず惹きつけるのは、メリハリの効いた魅力的なキャラたち。
スーパーというとてつもなく身近な、とはいえその裏側はあまり知られていない(私が知らないだけ?)リテール業界の、ある意味マニアックな舞台上で、そんなキャラたちがリズミカルかつコミカルに絡んでいく軽快なストーリーが、心地よく進んでいく。
軽快さの中に散りばめられた、主人公たちが胸のうちに抱く翳り。
その張られた伏線の真意を絡ませ、ちらつかせながら、最後の“エンド”勝負に向けて盛りあげられるストーリー展開。
脱帽です。
勤務ちゃん節、炸裂でございます。
ポップな雰囲気で包みつつ、芯のところでは、主人公たちが過去との葛藤を乗り越えていく、というエンターテイメントが好きな方に、お勧めの作品!
「エンド」とは何のことなのかわかっていなかった自分としては、何度も「へー!」と唸ってしまいました。こうしてスーパー店員さんは日々お仕事しているのか…と。
ただの恋愛ものではなく、お仕事ものでもある作品。
タイトルこそシンプルですが、中身の濃さは素晴らしいとしか言いようがありません。
普段誰しも行っているであろうスーパーが舞台ということで親近感がありましたが、その裏の姿を覗くこともできるせいかどんどんのめり込んでいきました。
リアルなスーパー店員の姿がそこにあります。この作品を読むと、思わず店員さんに「お疲れ様です」と言いたくなります(笑)
そして恋模様も気になるところ!まだ拝読途中でレビューを書いているのですが、人間関係がどう発展していくのか楽しく見守らせていただいています。