第10話 3日目

 目が覚めると8時だったので身支度をして起きていたリアロゼと一緒に朝食を食べて寝ているリーファの分も状態保存をして置いておいた。

 まだ時間に余裕があったから昨日できなかった調合や錬金をやってみる。

叡智之書アカシックブック》で武器の構造を調べて変形する剣や魔法剣みたいなのも作れた。いい素材が有れば《融合》で強化も簡単という万能武器。

 他にはポーションも作ったがこっちは質より量戦法で薬草があるだけ作った。

 そんなことをしていたらもうすぐ待ち合わせの時間だったのでローブを羽織ってギルド前に移動した。

 どうせ一之瀬だから遅刻すると思ったが時間通りに来た。

 他にも二人引き連れているところを見ると紹介したい人ってのはあの人たちだろう。

 念のため《鑑定》しておく黒髪に白髪メッシュの方は多分日本人らしくなんか変わったスキルを一つ持っているだけで、もう一人の方はフードをかぶっていて《鑑定》が弾かれた。


「よう朔夜イカれたメンバーを紹介するぜ!」


「よく来たな愚かなる転生者よ我こそは球極の大魔導師だ」


「なるほどよろしくな睦月昴さん」


「な!?何故貴殿が我が真名を!?ま、いいかこっちはレイだよろしくな」


「僕はレイですよろしくお願いします」


「ああよろしく俺は九条朔夜です」


「そして俺が一之瀬祐希‼︎」


一通り自己紹介を終えたら睦月から幾何学模様が入ってる魔石を渡された。


「そんなことよりこれを渡しておこう通信魔具だ。連絡しかできないスマホだとでも思ってくれ」


「わかったありがとう」


「早速クエストを受注しよう」


俺達はギルドでパーティー申請してから近くにある魔獣の森のダンジョンに行くことにした。


「今から行くダンジョンは最近発見されたばかりだから難易度も低く宝も残ってるだろうが気を抜かずに行くぞ」


「おー!」


「あ、九条さん僕は戦闘向きじゃないので戦力にならないと思ってください」


「わかった」


「「お前ら無視すんな」」


「ともかく一之瀬前衛で俺と九条が後衛でいいか?」


「ああ構わない」


「腕が鳴るぜ」


そんな話をしながら森を進んでいると気配察知で何者かの気配を感じた。


「前方から何か来るぞ」


「なるほど気配察知持ちか便利だな」


「またあの方々ですかね」


緊迫した雰囲気の中茂みからちっちゃい悪魔みたいなのが飛び出してきた。


「一ノ瀬アターック」


「え?」


動いたものに反応して祐希バカが斬りかかったが気配の正体が受け流す。


「おう魔王フワリー」


「毎度うちの魔王がごめんなさい」


どうやらこの悪魔みたいなのが魔王らしくこちらの長身ロングヘアの人は幹部のようだ。


「お前ら魔王軍に入れー」


「フワリー様黙っててください」


「あ、ごめんなさい」


「今回も勧誘ですか?」


「はい前回あなた方に断られたので次はそちらのお二人を取り込みにきました」


「すみません貴方は何者ですか?」


「申し遅れました私魔王フワリーの右腕を務めさせていただいてる葉月理華です。今回は失礼しますが魔王軍に来たくなったらいつでも歓迎します」


そう告げると瞬きの間にその姿は亡無くなっていた。

「消えたスゲー!」


「えっと一応説明するけどこの世界には13人魔王がいてあいつは最弱の魔王フワリー・ダークパークで、人間とも交流があるダークパーク王国を収めている」


「でも総合力は幹部の人達が優秀で魔王の中でもトップスリーに入るんです。そのせいで暇な魔王が週4で勧誘に来ます」


「すぐそこに魔王城があってたまに遊びに行ってる。あと葉月さんは転生者でよく和食作ってくれる」


「他の幹部の人もいい人たちでよくお菓子渡してくれます」


「俺も後で遊びに行きたい」


「ダンジョンの帰りにでも寄るか」


まだ見ぬ魔王城に期待を寄せるうちにダンジョンに到着した。

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マルチスキラー 灰ぐれー @zeroshirokuroerase

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