七ッ釜に何遷す?
神﨑らい
1-1
――遷移―― 壱の話
《世界を牛耳る明瞭の双生児》
はい――。
弟の木葉くんは、担任の私に掴みかかりました。少しの間、別行動をとらせようとしただけです。言い聞かせましたが、私どもの言うことなど聞いてはくれません。
ちょっと、そんなっ、違います! 無理矢理だなんて――。
体操着に着替える際、男女で教室を別けただけです。二人は離れたくないからと、階段の踊り場で着替え始めたんですよ。
いえいえ、そんなことはありません。二人ともいい子ではありますよ。
ただ、依存が強いようで――。
はい、姉の雪葉ちゃんとです。二人は他のお友達と付き合いを持とうともしませんし、煩わしく疎ましいとまで――。
ええ、はい。学校側は彼らの異常性を認めています。カウンセラーの先生を外部からお呼びして、二人を見てもらいました。共依存、と言うのだそうです。あと半年で五年生になりますし、来年は無理にでもクラスを離そうと考えています。
お仕事のご都合上、ご両親が多忙で二人に構う暇がないこともわかりますが、ご自身のお子様のことです、もう少し関心を持たれた方がよいかと思います。あの子達と顔を会わせるのも、週に一度程度だと伺っていますから。依存は寂しさや不安からきているのだと思いますし――。
ですから、そういう問題じゃ――!
あ、お父様ですか。お待ちしていました、初めからもう一度お話します。
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