浮気

01 部活

「……終わった。」

六時間目の終わりで、私はそう呟いた。

私の名前は花咲胡桃、山張高等学校に入学した一年生だ。

まぁ、もう入学して二週間が経つんだけども。

二週間も経てば、学校単位での団体行動が終わり、ある程度グループなんかが形成されはじめる。

わざわざ話しかけられない限り人と接しない私みたいな人は基本的にそのようなグループに所属することにはならない。

入ったところで人間関係がめんどくさくなるだけだからと自分を正当化して教室から目を離し、目の前の紙へと視線を移す。

先週の金曜日に受けたテストがもう帰って来た。

月曜日だよ早すぎない?!

点数はというと、国語98数学39社会71理科27英77点だ。

なんというか、典型的な文系だ。

合計点は312点比較対象もいないし高いのか低いのかわからない。

なんて思っていたときに、

「ねぇねぇ、クルミはテストどうだった?」

と、目の前の女子に話しかけられる。

ショートヘアに猫のヘアアクセサリーをつけている彼女は、猫宮杏だ。"ね"こみやと"は"なさきで席が前後だったことから、話すようになった唯一の友達となった。


「うーん、まぁ、他の人がわからないからなんとも言えないなぁ」

「って!!クルミ国語98点だし充分高いでしょ!!」

「そうなのかなぁ?杏はどうだったの?」

「うっ……」


なんて彼女は言っているが、前の席なので机の上のテストが見える。


「はっ!!見た?ウチの見られた?!」

「う…うん」


点数が見えたが……数学と英語は私より少し高いが他は……


「終わったーー!!クルミと友達やめるーー!!」

「えぇー、ごめんって」


冗談だとはわかるが、そんな簡単にキレる縁とはどうなのか?

まぁ、冗談だしいいか、

そんなことを思いながら杏と談笑を続ける。


「そういえばクルミどの部活入るか決めた?」

「一応今日から見学はじまるんだっけ?」

「そうだね、一緒に色んなとこ見学行かない?」

「もちろんいいよ、いこいこ」


なんて話をしていると担任が入ってきて帰りのホームルームが始まった。


「あと言うことは、今日から部活動見学がはじまりますが、一年生は時間は五時半までなので、そこには気をつけましょう」


なんだかんだ帰りのホームルーム、教室掃除が終わり一度玄関に向かおうとする。

なんで授業で頭を使ったあとに掃除なんて肉体労働があるんだ……まぁ、そういうしきたりだし誰かがやらないといけないからしょうがないんだけどもなぁ……疲れる。


「どこから見学行く?」

「私は杏に合わせるよ」

「じゃあまずテニス辺り行こうよー」

「ん、わかった」


なんて言って私達はテニスコートへと向かった。


「見学の人はここで見ててね」

テニス部の次期部長と言っていた進藤という男性に言われて、フェンス越しに部活を見る。


「球はやっ!!すごいね!!」

「そういえばこの学校テニス強いって言ってたね」


とは言っても、私に体を動かしたいという欲望はないのでハナから入る気はない。

十分ぐらいいて、私達は校内に戻る。

多分もう二度とテニスコートには来ない。

四月なのに熱気で熱すぎる。


「次演劇部見に行こうよー」


なんて杏についていきながら時間は過ぎていき、気づいた時には五時に写真部にいた。


「やっぱウチ写真部ありかもしれない」


目の前の杏はそう言っている。

まぁ、私は今日見た部活の中に興味をそそられるものはなかったのだけども。


「ウチもうちょい写真部見てくからクルミ別のとこ見てきててもいいよー」


そういわれ、私は写真部をでる。

写真……か。

私のこの力も写真みたいなものなのだろうか。


なんて思いながら私は玄関までやって来て、帰る身支度をしていた。


「そこのお嬢さん?少し僕に時間をくれないかい?」


玄関でナンパとか強すぎるでしょこの人。


「すみませんそう言うのはちょっと」

「いいじゃないか、少しだけでも、」

「お断りします」

「ちょっとだけでいいからさ……僕らの部活に来ない?」


へ?部活?


「え、勧誘?……ナンパ……とかじゃなくて……?」

「うん、ナンパなんてしないよ。まぁ、ネタとしては面白そうだけど」


恥ずっかしぃ!!何変な勘違いしてるのバカ……。


「で、どうする?来る?来ない?」

「い……行きます」


恥ずかしさと玄関から離れたい思いでついていくことにしてしまったが大大丈夫だろうか。


「僕の名前は羽鳥大吾、君の名前は?」

「私は……花咲胡桃っていいます」

「クルミさんね、さぁついたよ」


そういい、私達は一つの扉の前につく。

そして、羽鳥さんは扉を開け、


「ようこそ、ここが人間観察部だ」


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題名と人物名を見ての通り、作者にはネーミングセンスはありません

モチベーション次第で次の投稿が早まりますがこの文字数なので、年明けまでにあと2話ぐらい出したいですが、投稿されたときに、「あぁ、こんな作品あったな」

みたいな感覚で気長にお待ち下さい。


ではまた次回

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実端雷鼈(ミハシライベツ) @Ferrum026

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