第4話 錬金術師としての初依頼、そしてガンスロット。


また一つ、時間は回りました。

そして私は15歳、この世界じゃ成人になる歳らしいです。

といっても、私のこの暮らしが変わるわけではなく...


「ムイン!お前に依頼を持ってきた!」


「は、はぁ...依頼ですか...」


ごめんなさい、やっぱり少し変わるかもしれません。


「なんだよ~待望のい・ら・い、だぞ!まぁ待っていたのはおもに僕なんだけどさ...さぁ!依頼者の場所へレッツゴー!」


「はいはい...分かりましたよ。」


「ちなみにロードんとこいるから~」


「は~い、それではいってきます。」


「行ってら~♪」


...


「なんでルイン様じゃないのよ!他の有象無象なんて呼んでないんだけど!?帰って!」


話を聞いて早々罵倒された。



「あの私、そのルインさんに任されたんですけど...

それに、私はルインさんの弟子ですから、多少は信用してください。」


「はぁ~...まぁ良いわメガネノッポ、それじゃ依頼内容を話すわね。」


最近、お屋敷に湧くネズミに困っているの、たがらあんたにはお屋敷にいるネズミを一掃できるようなネズミ取りを作って欲しいんだけど...


「執事たちに命じても結局一匹も捕まえて来ないし、それで錬金術師に頼みたいなと思ったの。」


「はい、概要は理解しました、ではそちらのお屋敷にお邪魔しても?」


「...何すんのよ?」


「視察です。

解決するにしても、イメージがつかめないとどうしようもないので...」


「...仕方ないわね、行くわよ。」


「ありがとう...それと、自己紹介を」


「私はムイン・ドラグナタ、錬金術師をやっています。」


「...フィルア...ロックスベート、商人娘よ。」


あぁ、あのロックスベートの人か


「うん、よろしくロックスベートさん。」


「フィルアで良いわ、そっちの名前は嫌いなの、よろしくムイン。」


「足止めしてすみません、今度こそ行きましょうか。」



ロックスベート、世界三大商人組合の一つ。

今の代表はアリアン・ロックスベート、多分フィルアの父か祖父だろう。

練金に使う素材も取り扱っているので私達も度々お世話になる。



...


「着いたわ...ってどうしたの」


「こっ...これが、あのロックスベートの屋敷...!」


「うるさい、さっさと入って、いちいちそういう反応されるの困るから。」


「あ、はい。」


がちゃ...


「さぁ、さっさと始めなさい、って言うか結局なにすんの?」


「屋根裏、厨房など、ネズミがいそうな場所を調べさせてください。」


「分かったわ、好きにしなさい。」


「でも個室に入るのは止めてよね。」


「解りました、では。」


練金人形召喚コールソーサルドール


「この子達が、私では入れない隙間に入り、様子を見てくれるでしょう。」


「それでは頼みましたよ。」


「...あんたはなにすのよ」


「帰って報告してくれるまでやることありませんね...お茶でもします?」


「...仕方ないわね、付き合ってあげるわ、どうせ暇だし。」


...


「そういえばムイン、あんたのその武器?どんなやつなの?何で筒?」


「あぁ、これ?これはガンスロットって言うんだ。」

おもむろに木の板をテーブルに置いた。


「これは大砲を小型にしたものでね、小さい鉄の玉を打ち出す、そんな画期的な兵器になるだろう。」

どんっ


銃撃が屋敷中に響く。


「..でも、これは錬金術で創ったものだ、錬金術で人を傷つけるのは...本意じゃない。」


「...なんにせよ、これは私が私に創ったものだ、

世に出すつもりはない。」


「そう、とりあえず聞いてみただけだから。」


ぴこん、ぴこん

「おや、練金人形が帰ってきましたね、報告を受けのでティータイムは終わりだ、おいしかったですよ。」


「どうも、で?どう?」


「...はい、はい...解りました、ありがとうございます。

報告を受けて、ちょうど思いついたアイデアが使えそうなので、私は素材を集めに行きます。」


「どこ行くの?」


「そうですね...渓谷と...山と...いろいろですよ、結構素材が必要そうなので。」


「それ、時間かかる?」


「はい、一週間程くれませんか?」


「...分かったわ、ただし!素材収集には私も連れていきなさい、剣術には覚えがあるの、お荷物にはならないから安心して。」


「はぁ...はい、分かりました、それなら頼りにさせてもらいます。」


「それじゃさっさと行くわよ!私はムインについていくしかないから、早く行ってちょうだい。」


「分かりました、行きましょう。」



...


道中


「はぁ...はぁ...ねぇ~、まだ着かないの~?」


「もう少しです、頑張ってください。」


「ここ、結構魔物が多いし...って!?言ったそばから!狼よ!」


「解りましたッ!戦闘態勢を取ります!」


ムインは腰にたずさえた銃と短剣を構え、

フィルアは背に置いた剣を持った。


狼は四匹、その内中型、大型が一匹ずつその他小型の狼の群れだった。


「二匹ずつ、行ける?」


「当然。」


(あれ?ムインの雰囲気が変わった?)


「じゃ、じゃあ片方任せたからね!」


「了解!」


私は一番デカイのと片方の小さいヤツのいる、左側へ向かった。


ばんっ!

一発目...ヒット!

前足の付け根に当たった。

小さいのは歩を止め、大きいのは激昂し、怒り狂い噛みついてきた。

「チッ!ちびから攻撃するのはッ!間違いだったかなァ!」かちん!


ムインは左手の短剣で狼の牙を受け止め、頭銃を当てに銃弾を打ち込んだ。


ばんっ!


「よし、一体撃破!もう一匹、小さいの!」

と、辺りを見渡したが...


「見失ったな...くそ、仕方ない。」かち...

ムインはメガネを外し、瞳を光らせ辺りをもう一度見渡した。


「...いた!」...かちかち...びしゅっ!

弾丸を変え、ビームのようなものが逃げる子狼の心臓を焼いた。


「よし...反対は...」


「もう終わってるわよ...ってそうじゃなくて、あんた、その目!何?光ってるけど...」


「あぁこれは...千里眼のようなものです、この瞳はあらゆるものを見通す魔眼です、壁を透して見えるのでホントに何でも見えます。」


「へぇ~、ずいぶん便利なもんじゃない。」


....これは半分嘘、私の瞳はそれだけの能力じゃ無いんです。

システムアイ、それがこの瞳の正体、

未来視、千里眼、弾道予測、情報分析、これだけじゃない。

私はこの瞳を、13歳の時に転生特典として授かりました。




...区切ります、すみません。

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錬金術師が過ごすスローライフ なすのいちばん @sei-arus4805

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