第3話 錬金術師としてのレッスンと虫眼鏡。
...ぽこぽこ
....まぜまぜ
.......ぱんっ!
「ふぅ~よし、こんな感じでしょうか?お師匠。」
「うんうん、そんな感じ!錬金術のコツは、素材を入れるタイミングにあるからね~、それも、大体感覚で教えないと口下手な僕じゃ訳の分からない教えになっちゃうから。」
「いえいえ、これでも十分理解できますよ、心配しなくても大丈夫です。」
この世界に転生して、あっという間に14年が経過しました。
前世と違い、とても背が高くなったように感じます。
168センチ辺りでしょうか?これなら大人になる頃には...えへへ、楽しみですね。
そして、今のところ私は見ての通り錬金術のお勉強をしています。
去年から始まったんですが、お師匠いわく私は呑み込みが非常に早かったらしいです。
「さてと~今回作った物はぁ~?
...おぉ!シルバインゴットか!もうか~早いなぁ~、この調子で行けば、僕なんてすぐに追い越されてしまうだろう。」
「なに言ってるんですか、私はまだまだですよ。
これだけ出来るのもお師匠の教えあってのことですし。」
「ッ~!よしッ!ムイン!お師匠、もっと頑張るからね~!絶対僕よりすごい錬金術師にしてやるんだから!」
その後もレッスンは続く。
ぽこぽこと練金釜は音がなる。
やっぱりいい音だな、ふと思いついて寄りかかるとやっぱりそう思う。
「...ッスッ~」
最近かけ始めためがねもそろそろ慣れてきました。
私は今、レッスンの休憩中です。
あぁ、そうだ、前世との世界の違いでも話しておきましょうか。
魔法や錬金術、剣もあれば槍もある。
そんな緑豊かな中世ファンタジーな世界でした。
中でも、錬金術を扱う錬金術師はとても希少な存在なんだそうです。
かつて、私の劇団がやった人形劇の世界観にとても似ています。
あぁ~、そうそう、当然ですが文化も違うんですから文字も違うんですよ、なぜか日本語は通じるのに。
なんかこう...アルファベットとカタカナをくっつけたような文字でした。
....覚えるのが大変だったんですよ...
すみません急に愚痴っぽく、でも聞いてくださいよ。
私が覚えている限り、私の年齢は31でした。
もうもう何でも覚える時間はとっくの昔に過ぎているんです。
他の子どもよりも物覚えが少し悪いんですよ。
...錬金術は別なんですが。
...ふぅ~、そろそろ休憩も終わりですね。
それじゃあ私は外に出て素材集めです。
「ロピオスさ~ん?一緒に素材集めに行きませんか~?」
「うーん行く~!支度するから待っててー。」
「はーい、分かりました~。」
...
「これどう?」
「はい良い感じの原石です、良い金属が出来そうです。」
...
「主にもおんなじこと言うかもしれないけど、ホントに草って一つ一つ違うの?みんな一緒にしか見えないよ。」
「う~んそうですねぇ~...まぁ確かに違いますね、品質や個々が持っている個性、見えない違いがたくさんあるんですよ大体のことはこの虫眼鏡で分かります。私が作った道具ですよ。」
「それ今度ワタシにも作ってくれる?」
「はい、良いですよ、帰ったらこいつをもう一個作ろうか。」
「うん!楽しみにしてる!」
...
「攻撃をお願い!」
「了解しました!」
ばこんッ!
「怯みました!追撃をお願いします!」
「任せてッ!」
どかっどかっ!
「ふぅ....勝ちましたよ」
「うん!良い連携だったね!」
「はい、また成長したような気がしますね。」
...
「ただいま帰りました...」
「ただいま~!」
「お、ようやく帰ってきたか二人とも、遅いぞ~お腹ぺこぺこだぞ~。」
「ごめんなさい主!すぐ料理するから待ってて!。」
「所要時間はどのぐらいでしょうか?」
「15分ちょっと!」
「分かりました、それなら私もあれが出来ますね。」
「もしかして虫眼鏡?!」
「はい、料理が終わる頃には出来ているのでロピオスさんも作業していてください。」
「わかった!楽しみにしてるね!」
...ふぅ、それでは始めましょう。
まず完成のイメージをつかみます。
...鑑定の虫眼鏡、効果は以下の通りです。
鑑定の虫眼鏡
鑑定
入手した素材の品質や
スキルを看破する。
...よし、二回目なのでイメージはすんなりつかみました。
次は素材の投下です。
今回の道具の素材は以下の通りです。
木材
金属
神秘物、不思議な水晶
では錬金術を始めましょう。
まず、素材をすべて投下します。
後はイメージをしながら混ぜます。
木材は柄の部分を形成します。
大事な持つ部分なので丁寧に、持っている手が傷つかないような形に。
金属は縁の部分を形成します。
虫眼鏡のレンズを囲う部分なので、綺麗な丸を作ります、レンズがちゃんとはまるように真ん中に溝を作ります。
最後はレンズです。
水晶の余分な部分を削って行きましょう。
虫眼鏡の形になるように...
そして、練金釜の水がすべて蒸発すれば完成です。
...
「...よし、成功です。
前に作った私のよりも良いものが出来ましたね。」
「こっちもちょうど終わったよ~ごはん食べて~。」
「はーい、すぐに行きまーす。」
...
「ご馳走でした。
それではロピオスさん、これをどうぞ。」
「さっきの虫眼鏡?ありがとう!ムインくん、大切に使うね。」
「はい、そうしていただけると幸いです。」
三回目のなすです。
この作品がランキングに載ったそうですよ、
嬉しいですね。
1300位ぐらいだった気がしますが、それでも嬉しいんですよ。
ありがとうございます。
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