第2話 そして少年は人形に恋をした。


「ムインくん、起きて?」


「う~ん...ん...ふ..ぅあぁ~」あくび


「おはようぅ~、ございます、ロピオスさん。」


「うん、おはようムインくん、それじゃあ朝御飯にするから、早く降りて来てね。」


「はい分かりました、作業が終わったらすぐに行きますね。」


あぁ、どうも龍月夜見または、ムイン・ドラグナタです。

私が転生してもう少しで9年です。

早いですね~、私は人生二週目なのでとても早く感じます。

あ、今何を...ですか?

はい、ロピオスさんの替えのパーツのメンテナンスをしています。

彼女はは練金人形なんですよ。

とは言っても心がないわけではないんです。

食事こそしませんが彼女も、泣くし笑うし怒るんです。

あの方の体は人のように動くので関節にとても負担がかかります。

だから、私が彼女のパーツを定期的に替えてメンテナンスしています。

「...っふぅ~、よしッこんなもんですかね~

それじゃあ朝御飯食べに行きましょうか。」


       ~階段を下る~

...とすとす


「終わりましたよ~」


「おぉ!ようやくかい!もう少し遅いよぉ~

メンテナンスぐらいごはん終わってからでも良いじゃないかぁ~僕もうお腹ペコペコだよ!」


「はいはい、悪かったですよ、でもすみません

私はあれをやっておかないと頭が起きないので許してください。」


「...と、言い訳はこれ以上にして早くいただきましょう。」


「そうだね!それじゃっ!いただきま~す」ぱちっ



彼女はルイン・オルフェム。

赤ちゃんだった私をひろって育ててくれた親代わりの人です。

パッと見完全に小さい子どもような容姿ですが、

中身はお国一番の錬金術師です。

若返りの飲み薬と、永遠の器の湧水を一緒に飲んでいたのでこれでも結構歳を重ねているそうです。

...でもこの人...チラッ


「むぐむぐ!..?どうしたのムイン~僕が気になるかぁ~?」


割と精神のほうは見た目通りと言ったところですかね...


「もう主、口に食べ物をいれたまましゃべるのは駄目ですよ。」


「む!...(ごくん)すまないな!ロピオス!」


...あはは



「「ご馳走でした。」」


「それじゃあ僕は、素材集めに行ってくるからね~」


「はい、私はロピオスさんのパーツ組み換えをやります。」


「わかったムインくん、ならワタシは工房で待ってるね。」


...がちがち


...こんこん


...ぱちっ!


「よし、終わりましたよ~足の調子はどうですか?」


「うん、良い感じ、いつもありがとうムインくん。」


「いえいえ、これは半分趣味みたいなものですから。」


「...う~ん、やっぱりムインくんって歳の割に大人だよね。」


「はぁ、そうなんですか?あまり自覚がないのであまり分かりませんね...」


「ほら、しゃべり口調!あなたってずっと敬語じゃない?」


「それに...なんかこう...落ち着いているというか、いつも何かを見透かしているというか...」


「でも、好奇心とかは年相応だよね!主がやってる錬金術とかすごいキラキラした目でみてるでしょ!」


「そ、そうなんですか...これもあまり自覚ありませんので...そうだったんですか、でもそうですね、錬金術にはとても興味があります。」


「それは...そうと...あの、服を早く着てくれませんか?」メソラシ


「はいはーい、どうせワタシはドールなんだから、どれだけ見られたって構わないぞ~。」スルスル


「...分かってますけど私が構うんです」


これはとても変な話なんですが...

あの、私、ロピオスさんが好きなんです...よね。

あははやっぱりおかしいですよね、人が人形に恋をするなんて...


「はぁ~...やっぱり楽しいですね、こういう作業が一番の私って感じがします。」


「そっか、やっぱり主の言う通りなんだね」ボソ


「ん?どうしたんですか?そんなぼそぼそと、もう一回言ってもらえませんか?」


「ううん、なんでもな~い、秘密~。」


「あはは、そうですか、非常に気になるので機会があれば教えてくださいね。」


「気が向いたらね!」ニコ


真っ白な髪も、緑色の瞳も、すべて作り物のように感じない彼女は、窓の光に照らされてより一層輝いて見えた。







あ、どーもなすです。

いちおう言っておきますが、僕は不定期更新の人間なので、お願いだから催促はしないで!

(ビビっと来た時に一気にお話を書いていくスタイルなので)

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