第60話 ふふ

どうやら私は倒れてしまっていたようで、ベンチのような場所で気を失っていた。


辺りを見渡してみると、もう殆ど人はいなくなっている。勿論唯斗も。


ふと携帯を確認してみると、連絡先には唯斗の名前があった。


ああ、そうだ。私は唯斗と二人で話をしてたんだ。ちゃんと謝って仲直りの途中だったんだ。


唯斗の連絡先も貰って、二人で沢山話して……。


「せっかく仲直り出来たのに……」


私がそう言ってため息を着くと同時に、あの女のことが頭に過った。


……全部あの女のせいだ。あの状況で私を眠らせたのも、唯斗を眠らせたのも。私と唯斗と時間を切り裂いたのも全部あの女のせいだ。


私と唯斗がまた友達になる為にはあの女が邪魔なんだ。


……そうは言っても、今の私には為す術がない。連絡先も知らなければ、住所も分からない。


でも私が助けなきゃいけない。あの女から唯斗を取り返さなきゃいけない。一体どうしたら……。


そんなことを考えているとスマホの通知がなった。


『今すぐ会いに来て』


そんなメッセージと共に、住所がのせられていた。送り主は無論、唯斗。


一体どういう事だろう。唯斗が私に助けを求めてるってこと? あの女と唯斗は同居しているはず。


私にメッセージを送る時間なんてある? そもそもあの女が私の連絡先を消さないのもおかしいような。


……でもまぁ、住所を送られた以上私が行くしかない。絶好のチャンスじゃんか。


よし、私が唯斗を取り戻すんだ。そう意気込むと、私は急いで外へ飛び出しタクシーに乗り込んだ。


「待っててね、唯斗」



♢ ♢ ♢



指輪をはめられてから数分後。急に月城がハッと、思い出したような表情を浮かべ俺の携帯をいじっている。


「月城、さっきから俺の携帯をいじって何してるんだ?」


俺がそう言うと、月城は何か企んでいる顔をしながら操作を続けている。


「あ〜そうそう、あの泥棒猫の連絡先、まだ消してないなーと思って」


「そ、そうか……」


せっかく交換したというのに、結局こうなってしまうのか……。と、俺は苦笑する。


「ねえ悲しい顔しないで? ゆーくんには私がいるよ。あの女と違って、私はずーっと! ゆーくんの味方だよっ♡ だから私がいれば満足だよね♡ 安心だよねっ♡」


「ああ、まあそうだ……」


「──でもさぁ。あの女、そろそろしつこいよね」


間髪入れずに月城が話し始めたかと思うと、その表情は殺意に満ちていた。俺は思わず動揺してしまう。


「し、しつこい?」


「うん。前もこんなことあったよね。まだ私からゆーくんを奪おうとしてるし」


「月城……?」


俺がそう言うも月城はため息混じりに続ける。


「もうめんどくさいんだよね。人のもの奪うとかホント最低、ここでキッパリ決着つけるよ」


「決着……。月城、お前」


「これ以上私のゆーくんに近づかないようにさ。あの女に分からせてあげるの。……ふふ、楽しみ」



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https://kakuyomu.jp/works/16817330651695369018


『天才魔術研究家の俺。裏切られて死んだけど、死に戻りしたので魔術を極めようと思う 〜無能スキルだとバカにされ殺された俺。二度目の人生では、誰も知らない魔術知識で無能スキルが最強に。さぁ、復讐を始めよう〜』


新作投稿しました。よろしくお願いします。

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「ッ最低。今後一切、近寄らないで浮気クズ男」と、俺を盛大に振った幼馴染が今更、誤解だと気付いて言いよって来ても、もう遅い。……今、俺は大人気アイドルのヤンデレ美少女に監禁されているので…… 巨乳美少女 @momosetakoyaki

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