傾国の男の名は‥‥

傍目八目。この言葉がぴったりの男が語り手です。
周囲の人間から見れば明らかに、黒髪長髪の美しい男である山田徹に子供の頃から魅了されているのに、本人だけは気づいていません。
でも、きっと語り手は自分自身の心を守っているのかもしれませんね。黒髪長髪の美しい男は語り手のことはちっとも思っていないし、これからも思うことはないので。
そう思うと、生意気で鼻につく態度は切なくもありますね。

語り手の父親である彫り師と山田との関係も妄想の余地があるので、何度読んでもむふふとなってしまいます。
また、大塚さんのお話には傾国の男が何人か登場しますが、山田徹は間違いなくその一人です。他には岩角遼、本人にはその気はないけどやろうと思えばできるのが市岡氷差でしょうね。
色っぽい男は大好物なので、山田徹がこれからもひょっこり他のお話に出てくることを期待して、結びとさせていただきます。

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へび