豊後の史書、それもなかなか問題のある史書wを残したとある下級武士の生きざまを描いた佳品。こういう作品があるから小説探しは楽しい。
なんといっても、主人公が憎めない。
歴史本の書き手ではあるが、けして才能に恵まれた書き手ではない。
題材も「読まれる」ということを考えた場合けして恵まれたものではない。
しかし、めぐり逢いの妙の中で書き始め、本作の作者(カクヨム側の作者)に呆れられ、時にはこいつが捻じ曲げたのだと恨み節も書かれつつ、虚実混交の妥協の歴史策を書き連ねていく。
読者も(身内率高いが!)得られ、なんと20巻を超える大作が書かれていく。
そして感動の奇跡のラスト。
小物感漂う主人公が最後にたどり着く奇跡に、不覚にも 良かったねえ と涙する正月でした。良いもの読んだな。