中毒性の有る甘い塩を舐めるような不思議で理解不能な魅力のある作品

【これは皮肉とか褒め殺しではありません】マイナス要素から言うと、小むづかしい書評ぶったレビュー読書感想サイトでなら確実に酷評され、某掲示板ではアンチスレが乱立してボコボコにされる作品だと思う。更に言うならこれよりも文章力があって世界観設定が精緻な作品もくさるほど有るというか、低い作品を探すほうが難しい。テンプレ極まるどころか極限突破したザマア要素を背景に共感できない精神性と価値観ながら理不尽なまでな幸運でなりあがる主人公。主人公を相対的に上げるためだけに存在する下げ要素満載で無様に死んでいくむしろこちらのほうが同情要素を集めて読者の共感を集める噛ませ犬キャラ達。詳細不明のゆで理論を超えた世界設定に矛盾を感じさせるのが一周して矛盾が気にならなくなる敵の強さ。
 …ツッコめばキリがないというか、ツッコミどころしか無い作品なんだけど…。
読んじゃうんだよねえ、これが。しかもテンポと爽快感もあり読後も何故か悪くない。てんこ盛りのご都合主義に胸糞の悪くなる噛ませ犬要素を二郎ラーメン濃い目マシマシマシくらいの濃度と量で食らわせられてるはずなのに、百円菓子のウエハースみたいにバリバリいくらでも食べられてしかもタバコみたいな中毒性が有る。
 端的に言うとこれがこの作者だけが持つ独自の世界と才能なんだと思う。
最初は「なんでこの作品に4桁のポイントが付いて、しかも書籍化されてるんだ?」と不思議を通り越していぶかしがってたが、読んでなるほど納得した。
 変に小綺麗でまとまった物語をかいてそこで収まってしまってる人は是非読んで参考にすべき作品。あと、スカッとしたい人にも最適。変な悩みを抱えててアタマの中で嫌なことがぐるぐる回ってストレス感じ続けてる人にこそぜひ読んでほしい。

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