14
道路に倒れ伏してピクリともしない
ぼんやりとしていた
「だいじょぶ、なの?」
「もう全部終わったよ」
「そっか」
安心させるように優しく笑いかける
(やっぱり
しみじみとそんなことを感じ入っていた
「
しばらく呆然とその手を見ていた
はっとした顔で
「
「近寄らないで!!」
「へっ!?」
突然の拒絶に
「悪魔とか天使とか、もう訳わかんない!! そんなの全部化物でしょ!! あなたも化物なんでしょ!? 助けて!! お願いだから近付かないで!! もう嫌!! 化物なんて大っ嫌い!!」
悪魔も天使も人間から見れば人外の存在であることに間違いはない。
一緒くたにするのはどうかと思うが、見る人によっては双方共に化け物と言えなくはない。
(俺が……化け物!?)
「えっ!? 待ってよ、
「嫌だ!! 聞きたくない!!」
「
転びそうになりながら走って逃げ去る
取り残された
「くそっ、俺は、俺は……本当の本気で好きなんだぞーーーー!!
「これぞ骨折り損のくたびれ儲けってやつだな。ちくしょうっ!」
向け場のないやるせない感情に
それも束の間、
「まぁ、あれだけ走れるならもう心配はいらないか。……で? お前はいつまでそうやって隠れてるつもりだ?
「やはりばれてましたか。改めまして、下級天使タブリスと申します。挨拶が遅れた事、お詫び致します。ですが現実世界での完全な天使化は大天使といえど、規則違反のはずでは? 私が報告した場合、貴方は力も階位も取り上げられて名ばかりの天使になってしまいますよ」
見た目は見慣れた姿のままで、
「今回のは不可抗力だろ、見逃せよ。完全体になんないと負けてたって。それでも言うってんなら、好きにしろよ」
「……ええと、こうも言っておいてなんですが、冗談ですよ。今回の排除対象があれ程強いとは誰も考えていなかったようですから、咎められる事はまず無いでしょう。通常でしたら、とっくに完全化の許可が下りてるころですので。それに、私には貴方に対する報告の義務はありませんよ」
「人をからかうなよ、悪趣味なやつ。まあいいけどさ。で、単刀直入に聞くけど、俺を付け回してた理由は? ……だから今回は使いたくなかったんだ」
「我等が主、天帝よりの命です。大天使ウリエルの補助として付き従い、今後は彼の者の指示で行動せよ。とのことです」
「要は俺の見張り役かぁ。……お前も災難だな」
当の本人であるはずの
「ちなみに、先程次の移動先の連絡が入りました」
「了解。ま、これからもよろしくな、
つい先程、
楽園の天使 飛永ハヅム @Tobinaga_hadumu
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