第3話 武司
「そうね、親にカミングアウトするには難しモノがあるかもね」
ロビンのカウンターに並んで聡史と良助が座って正樹ママの話を聞いていた。
「実はあたしはね~子供がいるよね」
「えーっ」2人は同時に驚いて声を出した。
「どっから見てもママなのに?」良助が茶化した。
良助は若さも有って順応性が高く早やかった。
「あたしも子供にお父さんホモで男好きとは言っていないもん」
「特に子供好きとか、きっと言えないと思う」正樹ママは割とマジに話していた。
「もし子供がホモだとか?同性愛者って言われたら、、、、自分がホモを受け入れて認めるのと同じだけ、ノンケの親も同じ壁を乗り越えなきゃいけないの、、、、、
この町にはホモが沢山いるけど皆自分がホモだって受け入れるに時間がかかっているのよ。すんなりホモを受け入れてる人もいるけどね、、、、
昔に比べてホモが受け入れやすくなった時代にはなったけど、、、」
「うちの場合はおかんが僕を殺すって」良助は幸子を思い出した。
「俺は田舎出る時っうか、高3の時、親に言った」聡史が言った。
「お陰で親父に家を追い出されたけど、、、」
聡史の父は建築の塗装職人で親方をやっていた。
母は物静かで荒い親父をいつも何にも言わずに見守っていた。
聡史は小学生の頃から自分は普通ではないと思っていた。
〈男が好きなのかもしれない〉
ぼんやりとして男が好きな気がしていたが自覚がなく、対象となる男性もいなかった。
〈僕はホモじゃない〉
男は好きでもホモではないと思い込んでいた。
聡史の中でホモは汚いと言う思いが消えないでいた。
高2の時、新1年生の中に可愛い顔した男の子がいた。
聡史は時々学校で見かけるこの男の子が好きだった。
名札に吉岡と書いていた。
〈やっぱり俺ホモかも?あんなかわいい子と、、、吉岡君、、〉
毎晩彼の事を思って眠った。
聡史は夏休みの前、同じラグビー部の1年生の高橋武司に告白された。
「先輩コレ僕のお茶飲んで下さい」ラグビー部の部室で武司は聡史にお茶を渡した。
「サンキュー喉乾いて」と聡史は差し出されたコップのお茶一揆に飲んだ。
武司との出会いが聡史のすべてを決定付けるきっかけとなった。
「中嶋先輩、好きなんです」と武司に抱きつかれた。
「おいおい、どうしたんだよ高橋?」
「僕、先輩が好きでラグビー部に入ったんです。本当はラグビーなんて知らないのに!先輩のそばに居たくて!好きです!」
武司の言う好きですの意味は聡史にも直ぐに分かった。
〈まさかこいつ?〉
「高橋、俺もお前が好きだぞ!」
大らかに聞こえる言い回しで聡史は言った。
〈この子を傷つけちゃいけない〉
「僕ホモなんです。好きです大好きです!先輩もホモなんですよね?」
武司は聡史に抱きついたまま言った。
聡史は驚いてコップを落とし、コップは床に落ち忘れ去られた。
同性愛を告白されたこととホモと言う言葉を簡単に使うところ、そして自分のことをホモと言い当てた事の全てに驚きを隠せなかった。
「やっぱりそうだ~僕嬉しいです!中嶋先輩がホモで!」
〈中嶋先輩は僕の腕をほどことしない!しかも随分動揺している〉
武司は聡史の動揺した顔と態度で見抜いてた。
「おいおい勘違いすんなよ、俺はただ」
普通の男性の場合いくら可愛い後輩でも抱きつかれ好きだと言われても立場上怒って突き放すところである。
聡史は何度もホモと言う言葉を出され頭に血が上っていた。
聡史の中ではホモと言う言葉を発するのも汚らわしいため自分の口で言ったことも無かった言葉だった。
「いいタックルだ、、、、高橋、その調子だ」
聡史は自分でも何を言っているのか頭がボーとして分からなくなっていた。
ゆっくりと高橋 武司の顔を見たが15歳らしいあどけなさが残った顔をしている。
武司は猿顔で顔のタイプで言うと好きな顔ではなかった。
吉岡君の様などこか上品でお坊ちゃんの様な可愛さは武司にはなかった。
「せんぱ~い」
武司はやさしくそう言うとさりげなく勃起した性器を聡史の体に押し当てた。
「お前勃ってるじゃないか」
聡史は次に自分の口から出た言葉が自分でも信じられない言葉を発っしていた。
「見せて見ろ!」
武司のズボンの股間をつかみ素早くズボンのベルトをはずしチャックを下げると武司のズボンはスルッと床に落ち、下着と2本の足が表れた。
「あっ先輩、、」
武司はカラーブリーフを履いていて子供のようだった、それがとても可愛く見えた。
〈なんて可愛いパンツだ!しかもこんなに膨らんでる〉
ブリーフの膨らみを見た聡史は自分の中の自分、今まで押しこめれていた自分が表れ始めていた。
聡史の興奮は最高潮に達していた。
「みせろ!ちんぽ出して見せろ!」
武司のパンツを両手で下げると勃起してピーンと突き出しているペニスが飛び出してきた。
「ち、んぽ触らせろ!」
聡史は武司のペニスを握ると扱きだした。
「あっーあっ、」
武司はかすかに喘ぎながらじっとされるままペニスを扱かれた。
〈こいつのちんぽは綺麗だ、男の子のちんぽはこんなに綺麗なのか〉
武司は顔とつり合いが取れないほど綺麗な体をしていた。
引き締まった下腹にうっすら付いた筋肉、体の真ん中に1本線を引いたようなラインが臍の所まで真っ直ぐ見え若い肌は輝いていた。
ペニスは形も美しく包茎が少し剥けていてピンク色の艶やかな亀頭が見えていた。
聡史は今まで男の子のペニスをあまり見たことが無かった。
ましてや勃起した性器を見たのは初めてだった。
「先輩っ!出そうです!やめてっ、くっ」
「うるさい、出せ!俺の見てる前で出せ!」
武司のペニスは激しく脈打つと活き良いよく精液を放出した。
「あっあっあっ」
激しくペニスから飛び散った武司の精液は床に飛び散った。
一つのショウが終わった瞬間のように聡史は我に返った。
「先輩のも出して下さい」
武司が聡史の股間に手を伸ばしてきた。
「やめろ!俺はやらなくていい」
聡史はペニスが勃起し下着を通りこえズボンまで濡れていた。
それを見られるのが恥ずかしいのとここでペニスを見られのはプライドが無くなると必死に耐え自分のカバンを掴むと部室を出て行った。
「高橋、部室鍵閉めといてくれ」
そう言い残すと慌てて帰っていった。
今日の部室の鍵閉めの当番は聡史一人だった。
(俺が鍵閉めの当番だって知ってたんだ。皆のいない時間まで計算して、あんな風に好きって言えたら、、同性愛者かもしれないことを誰かに話せたら)
今まさに最高のチャンスだったが言えないまま自分を隠した。
今迄すっと隠してきたため聡史は本当の事が言えなくなっていた。
後悔しているのか?自分が武司にやったことは正しい事なのか?必死で考えていた。
ラグビー部の女子マネージャーが部室が臭いので当番制で練習後はボールと道具のチェックをし鍵を架けて帰るようにしていた。
「あんたらの練習後の部室は特に臭い!臭くて入れないから鍵閉めは自分たちでやってね、2年生が当番制で」
〈あの部室で後輩のちんぽを握って手淫させるなんて〉
自分が武司に気取ってホモである事を打ち明けないままでいる事への罪悪感が募っていた。
〈何をカッコつけてんだ!俺は、吉岡じゃないからか?〉
電車の中で思い悩んだ。
〈先輩が後輩にオナニーをさせるとか、良くある話だ、それだけで俺がホモとはならないはずだ。ちょと後輩をからかっただけだ〉
誰に言うための良い訳を考えているのか聡史は分からなかたが、今は自分がホモだと言う事を誰にもし知られたくなかった。
同時に思い出すのはあの時見た武司の可愛いパンツと美しい性器だった。
〈それにしても高橋があんなに綺麗な体をしてたなんて〉
「よーし2年生はタックル、サポートは1年、3年は、、、」
グランドでラグビー部が練習していた。
聡史は練習に身が入らなかかった。
ラグビー部は体を大きくするため大食いするように言われていた。
大体どのラガーマンも体が大きく頑丈で立派な体格をしている。その反面太っているとも取れるのであった。
高校生でもどんどん体が大きくなり足も太く大きくなる。
1年生の中で1人特別細い足を半パンから出して走ってる美しい脚に見とれていたからだった。
武司だった。
こうして改めて武司の足を見ると引き締まって細く筋肉の形が肌を通してうっすら浮かんで見え背が高くはないが細い足は長く見た。
〈やっぱり綺麗足をしてる〉
〈人に告白するのは勇気がいる、こいつえらいな〉
相変わらず猿顔だったが武司の体の美しさに聡史は引かれていった。
「高橋帰り送ってけ」
聡史は先輩面して思い切って武司を誘てみた。
「はい、先輩!」
2人が門を出ようとした時、聡史が言った。
「いっけね、教室に忘れもんした、ちょっと取りに行くの付き合え」
「はい、先輩」
向ったのは教室では無くその隣にある更衣室だった。
更衣室は窓から入れ、カーテンを閉めれば外から電気が付いていることが分からない。
昼休み前の高校全体掃除の時間があり更衣室が密室になる事を知った聡史はこっそり窓の鍵を開け後で入れるように細工をしていた。
「中に入れ!、忘れもんはその奥にあるんだ」
聡史は興奮してドキドキして口調は荒くなっていた。
2人が中に入り聡史が鍵を架けカーテンを閉めた。
聡史は武司の体がまた見たくて我慢できなくなっていた。
「俺の事好きなんだろ、またちんぽ見せろよ」
武司に抱きついて耳元でささやいた。
黙っていた武司のズボンを脱がそうとした。
「ちんちん見せてもいいですよ、先輩が見せろと言うなら、、、でも今日は先輩がちんちん見せてからですよ、先輩が勃ってるの僕、知ってんですよ」
武司はそう言って聡史の膨らんだ股間を握ってきた。
聡史は逃げられなかった。
〈参ったな、こいつ、どうしようちんぽを見られるのはやっぱり恥ずかしい〉
武司がズボンを脱がしてきた。
「やめろ!先輩命令だゾ!」
「見せないなんてズルいですよ!皆に言いますよ!中嶋先輩は俺のちんちん触って来るって」
武司に言われ聡史は頭に血が上って行ったが、逆らうことが出来なくなっていた。
聡史はあの時と同じようにぼーとし始めていた。
ズボンのチャックから手を入れられパンツの上からペニスを握られた。
「うっ」
パンツ越しではあったが始めて男にペニスを握られた聡史は気持ち良くてたまらなかたが口では言わなかった。
「パンツまで濡れてますよ 先輩」
勝ち誇ったように武司にそう諭され恥ずかしさに顔があかくなった。
「ふっふっふっ」
ズボンとパンツを脱がされ聡史は下半身を裸にされた。
「僕に逆らったらバラシますよ!」
「こっこいついい気になりやがって」
聡史は武司に反撃に出ると乱暴にカーペットの床に押し倒した。
「お前もズボンを脱げ!パンツもだ!ちんぽ勃ってるだろ!みせろ!」
「先輩、やめて下さい、ごめんさい偉そうにもういいませんから!」
「ダメだ!お前にはお仕置きが必要だ!」
武司のズボンをはぎ取るのに邪魔な靴も脱がしズボンを引き抜くと前回とはまた違う柄のカラーブリーフを履いていた。
〈やぱりだ!やっぱりこいつの体は綺麗だ!〉
「パンツ脱げ!ちんぽみせろ!高橋お前がいけないんだぞ」
「ごめんさい~止めて下さい」
「うるさい」
怒ったような気迫あふれる聡史に謝ったがパンツを脱がされペニスを扱かれた。
「あっー先輩、もう言いませんから」
自分の前に平謝りする姿を見ると聡史は体中が熱くなった。
「ダメだ絶対許さない」
もがいて武司は横向きになったその時、武司の綺麗なお尻が見えた。
大きくは無いが引き締まって綺麗なお尻だった。
〈もっと苛めてやりたい、辱めてやりたい〉
武司のピンク色のお尻に突然指を入れた。
「いっ痛いです、いたたた!止めて下さい、ごめんさい、許して下さい」
聡史は自分の人差し指を舐め唾を付けるとさっきよりお尻の穴に指を突っ込んだ。
「くうっ」
痛いのか息を吸い武司はお尻を引いてお尻の穴を締めた。
「力を抜け、尻の力を抜くんだ」
指を抜き差しして聡史は武司を責め続けた。
「あっ痛い、先輩痛いです。ごめんなさい!あああああっ」
「うるさい静かにしろ!」
そして前汁が垂れるほどヌルヌルになったペニスを押し付けた。
「ああああああっ」
ゆっくりと聡史のペニスは武司のお尻の穴に入っていった。
武司の体内は温かくペニスはその温かさに包まれ気持ち良かった。
「声を出すんじゃないぞ!静かにしてろ!」
そう言うと腰を動かした、今までの何倍もペニスから気持ち良さが聡史の全身へ広がって行った。
聡史の腰は自分とは別の生き物のように勝手に動いているようで動きが止まらなくなった。
武司のペニスを握り腰の動きと同時に扱いていた。
「うっ!」
聡史が最高の快感に達した時、爆発するような勢いで射精した。
快感がゆっくり引き始め我に返った時、握っていた武司のペニスからも精液が出ていて聡史の手まで付き濡らして滴っていた。
「高橋イッてたのか!」
そう言ってペニスを気にぬくと武司のお尻から少し血が出ていた。
「血が出てるぞ!痛かったのか?ごめんな」
聡史は野獣から人間に戻っていた。
「うん、大丈夫」
「可愛いなお前」
〈きっと痛かったんだろう、それを言わずに〉
思わず聡史は口にした。
ポケットティッシュで2人は精液を拭き取ったがカーペットまで濡れて汚れていた。
更衣室の扉を開け薄暗くなった廊下に出るとトイレの前に雑巾が干してあった。
雑巾を水で濡らし2人でごしごし汚した床を拭いた。
「綺麗には取れんな、でも大丈夫だろう 高橋帰ろう」
2人は逃げ出すように窓から出ると裏門の策を乗り越え帰って行った。
聡史は楽しかった。
‘お仕置きなど‘一度も思ったことの無い言葉が自分の口から出たり、お尻に入れるとか考えたことが無かったのに実行したこと。
誰にも教えられていない、自分さえ知らなかった相手を苛めながら可愛がりたいと言う自分の性欲の本当の姿を垣間見たのでっあた。
そして武司がそばにいることは聡史に生きる喜びを与えていた。
必死に自分を偽って生きて来た男が自分を知り生き生き行き始めた瞬間だった。
武司も同じように嬉しかった。
大好きな中嶋先輩に乱暴に抱かれ苛められるのは心地良かった。
少しお尻は痛かったが自分が懲らしめられて聡史に謝るのもたまらなく心地よくてもっと謝って許しを得たかったほどだった。
カミングアウト ロビン @robbin64
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