第4話

「殿下、件の特待生は学園長からの頼まれごとをしておりましたので、本日連れてくることは不可能となりましたわ。」


「次代の王たる私の用事以上に優先すべきことがあるなど、平民は物事の順序を分かっておらぬな。」


どの口が言っているのかわからないわね。

..........と心の中でつぶやく私はこの国の大公家、ユナイテッド大公家の長女のエリザベス・フォン・ユナイテッド。

目の前の自分中心に世界が回っていると勘違いしていそうな王太子に興味の一切ない婚約者。

幼い頃から、この男は我が儘で大国なのを良いことに、他の国を見下し外交を碌にしてこなかった。


私はその度に頭を下げなくてはならず参っていたのがいけなかった。

このいけ好かないツラをぶん殴ってやればよかった。

現国王もその辺り解っているのか。

他の替え玉の用意があると風の噂でよく聞く。


それくらい、愚かな行いをしていることに気が付かない愚息が!

私からすれば、正妻の前に妾候補に手を出すなんて、下半身がウサギにも等しいほど緩すぎる。

せめて、王侯貴族の風習の夫婦の営みを失敗させないための練習台は許しましょう。


でも、一度快楽を覚えたら手当たり次第にやるとか。

マジで優先すべきことわかってないでしょうが。

物事の順序解ってないのはてめえだよ!

クソ王子。


早く帰って庭師の彼に会いたいわ。

こんなバカ王子よりも先見の目があるしね。


自分が如何に優秀かを相手を貶めることでしか語れない王子には、精々役に立ってもらうとしましょう。

他の愚息たちも含めてね。


この学園には数十人の愚息が居る。

名君と呼ばれる者たちの中で生まれた彼らは石の世代と言われるほど愚かな人間たちだ。


「平民に君も何か意見は無いのかね。

 私の婚約者なのだから、もちろん同じ意見だろうがね。」


「殿下では、一女性としての意見を言わせてもらいますが。

 女性の化粧には時間のかかるモノですてよ。

 解らないようでしたら買い物にでもお付き合いしてもらっても?」


すると殿下は苦い顔をした。

王妃様も化粧、身なりを整える際には莫大な時間を要する。

買い物もそれなりの時間を要し、これを配慮できない男性は王太子にふさわしくないから除外するとまで国王に言わしめた貴族の嗜み。


どれが似合うか、第三者視点での判断ももちろん必要です。

ましてや妻になる人の身なりの好みを知らないと言われてはね。


「すまないが、私の仕事を思い出した。」


アリもしない仕事を思い出して逃げて行った。

これだから、調子に乗ったウサギは。


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乙女ゲームのヒロインに転生しましたが私には政治がわかりませんので悪役令嬢が王妃になることを望みます。~どんなルートもお先真っ暗なので私は誰も攻略しません~ スライム道 @pemupemus

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