第25話 経験から言えること

 対処は早ければ早いほどいい! 一刻も早くケアをするんだ! 無理せず休んでくれ! 

 小さな悲劇はとんでもなく大きな悲劇を呼ぶ。悲劇が大きくなると、自分だけでなく周りにも危害を加える加害者になる。

 加害者になる前に、何かスキルをつけようとする前に、自分を救うことを最優先した方がいい。

 焦るな、休め。ということだ。

 焦りすぎて全てが空回っていた。焦りすぎて無理してつぶれ、焦りすぎて職業選択を誤り(最終的に関連するので役には立ったが)、スキルもまともに身に付かず、貴重なお金や時間全てを失った。

 数年を無駄にして思ったことは、焦っても何もいいことはない、ということだ。

 戦場で長年戦い、大量の傷を負い、血だらけになり、おまけに心の風穴も大きく空いているのだ。

 戦場で戦った戦士に必要なものは、充分な治療と休養である。簡単なことだ。

 にも関わらず、社会的に、大人になったから、など色々考えると休むことに罪悪感や遅れを感じ、じっくり休むことができなくなる。

 真っ当に生きてこれた人は『休むなんて甘えだ』『家庭環境が悪かったくらいで泣き言いうな』などと言うかもしれない。気にしなくていい。初めから天と地の差が開いているのだから、こちらはこちらのペースで生きていけばいい。

 普通の人のペースで生きていかないといけないと思わなくていいのだ。

 休めるだけ休もう。休まないと先はないのだから。

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毒親育ちの戦場日記 天乃彩響 @amanoayane

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