第5話 バンボー

山内「ルナはなにが目的で地球まで来たん?」


ルナ「ある男に逢いに来たんじゃ」


山内「それって…」


伊藤(地球の事をどこまで知ってるんだ!?)


山内「、、俺か」


伊藤(進まねぇ、ほっとこ)

伊藤「まずお前は月から来たのか、月には人が住んでんのか」


ルナ「そうじゃ、ルナは月から来た。月には国があるぞ!巨大な国が」


驚きはしない、推測はついていた。

伊藤「やはりか」

(となるとルナが地球に来たのは上からの指示か、月の住人も相当数いるみたいだな)


伊藤「その国の名前は?王はいるのか?その国以外にも国はあるのか?」


ルナ「国の名は『バンボー』、王ならおるぞ。月に国は一つしかない、平和な国じゃ。」


伊藤(地球に来たのは戦争が目的じゃ無さそうだな)


それから少しの間沈黙が流れ、部屋の庭側のふすまから月明かりがゆっくりと動き、伊藤を照らす。


伊藤はスゥッと息を吸い込み、少し緊張しながら、次の質問をする。


伊藤「じゃあ11年前、月に行ったアポロ11号はどうなってる」


ルナ「ふぅ、聞かれると思っておったわ、あの宇宙船のことじゃな。」


伊藤(アポロ11号は帰って来なかった。最悪のパターンは考えたくないが、コイツの返答次第では)


「その乗組員達は皆、生きておるぞ。」


その言葉を聞いて安堵する伊藤と山内を尻目にルナは話を続ける。


「だが、まだ地球に返すわけにはいかんのじゃ。」


山内「なんで!?」


ルナ「今返すと地球の者達に我等の存在を知られてしまうからじゃな。」


伊藤「そんなものはいずれ分かることだ。」


ルナ「今、月は立て込んでおっての」


伊藤(それがコイツが月に来た目的か、目的が分からない以上コイツを野放しにはできない。かと言って警察に出しても信じてもらえるはずも無し、これからどうするかな。)


ここで山内が手をパチンッ!と叩き、話を切り上げる。

山内「よし!もう遅いので今日は解散しますか!」


ルナ「そうじゃの、ルナはもう眠いぞ、長旅で疲れておるのじゃ。」


伊藤「まぁそうだな、時間を置いて様子を見よう、で、今日ルナはどうすんだ」


山内「ウチで面倒見るよ、母さんに話してくる。」


山内は部屋を出て千秋(山内ママ)に話をしに行った。2人で住むにはあまりにも広く部屋も余っているのでルナの居候を快諾した。

その後、伊藤もその日は家路に着き、千秋はルナに家を案内し、一部屋貸し出した。


そして山内と伊藤は寝床に着き、長い1日を終えた。




ピピッ

ルナ「こちらルナ、山内太陽との接触に成功」














  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ずっと地球は綺麗でした ボストロール @bostroll

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ