第4話 山内宅

伊藤は山を降っている時も常にルナを警戒し、ある程度の距離を保っていた。


山を降り、河川敷を越え、ちょっとした街に出る。

ルナ「おぉぉ!これが東京か!?」


山内「まぁ東京というには田舎だけどなここは」


ルナ「あれはコンビニだな!?」


山内「ローソンだね」


自転車で帰っている時、ルナは答え合わせでもをするように山内を質問攻めしていた。


山内「着いた!」


ルナ「おおぉ!ここか!」


伊藤「久々に見るとお前の家やっぱデケェなぁ、ここ一応東京だぞ」 


そこには300坪は有りそうな和テイストのお屋敷が建っている。


門を開け、庭園を抜けて玄関に着く


山内「母さんただいま!」


母「おかえり太陽。あら、いらっしゃい伊藤くん。と、どちらさまかしら?」 

山内 千秋(やまうち ちあき)山内太陽の母で今年49歳、会社員。


伊藤(流石に本当の事言うわけにもいかねぇしな)

伊藤「どもーお邪魔します、こちら東京大学の薬学部で俺の後輩のルナと言います。」


ルナ「ルナじゃ!」


山内ママ「初めましてルナさん、どうぞゆっくりしてってくださいね。」


3人は山内の部屋へ

玄関入って直ぐ左にある廊下が庭に接している部屋に通される。

そのまま3人は机を囲んだ座布団の上に腰を降ろし沈黙する。


伊藤(少し時間を置いて改めて考えると、本当に宇宙人か?まだそうじゃない可能性もあるんじゃないか。宇宙船は何かのマジックに違いない、山でマジックの練習してたらたまたま流れ星かなんかが降ってきてて山に落ちたと勘違いした俺たちと遭遇し、練習してるの恥ずかしくて引くに引けなくなってマジック道具の宇宙船使って「初めまして、地球人」とか言っちゃった可哀想な女の子だ、きっとそうだ。今ならなんとか女の子のプライドを尊重しつつ家に返してあげよう、ってな訳ねぇよなぁ)


伊藤が話を切り出そうとするが、2人共強張った顔をして何か考えているようだ。

伊藤(なんだこの神妙な空気は、状況を打破する為に色々考えてるんだな、悩んでるのは俺1人じゃなかったんだ。)


山内(改めて見ると、ルナめっちゃ可愛いなぁ〜、やべ緊張してきた。)


ルナ(はて、東京大学薬学部とは一体なんの事じゃ?)


山内が遂に口を開く

山内「ルナはなにが目的で地球まで来たん?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る