紅葉の血

バブみ道日丿宮組

お題:死にかけの血痕 制限時間:15分

紅葉の血

 隊長が片腕をなくして帰ってきた。

 何があったのか聞いても応えてくれない。

 血痕を残して、医療キャンプに入ったが一緒に帰ってきた仲間たちの表情はくらい。

「何があったの?」

 比較的若い隊員に声をかけると、

「紅葉がでたんだ」

 つぶやいて逃げ出した。

「……紅葉」

 この世界が赤く染まった理由の存在。

 斬っても斬っても、生え続け侵食を続けてる。

 宇宙にいる連絡係は、もう地球は赤く染まりつつあるという。

「入るのは許可されてない」

 医療キャンプに入ろうとすると、護衛の1人が銃を突きつけてきた。

「情報がなければ対策がとれない」

「しかし……あ、わかりました」

 護衛のもう一人が静かに銃を下ろすように合図をすると、入室を許可された。

 階級制度があるが感染する可能性があるのも事実。

 人間でさえ紅葉になる。

 そう穴という穴から枝が生まれ、血で真っ赤に染まる。

 まさに落葉広葉樹が落葉の前に葉の色が変わる現象だ。だからこそ、紅葉(もみじ)と紅葉(こうよう)2つの言葉で現象がわけられてる。

 まず、感染が進むことを紅葉(こうよう)。

 襲ってくるのは紅葉(もみじ)という。

 感染を止めるには、攻撃を受けた場所を取るしかない。

 つまりは、隊長のように片腕を斬ることになる。

 攻撃を喰らう前に倒すのが、紅葉(もみじ)対策隊の役目である。

「……ありがとう」

「ですが、一応と殺菌スーツを着用のこと、殺菌シャワーをキャンプから出る際に行って下さい」

「わかってるわ」

 他の誰よりもね。


「意外に大丈夫そうね」

 なくなった片腕の代わりに義手の移植を受けてる隊長がそこにはいた。

 周りには手術ロボットがオペをしてるだけで人間はいない。

 感染を広げないために行われてる対策だ。

「妹を残して簡単には死ねないし、何よりも兄ちゃんが心配をかけるにはいかないからな」

「そう……それで倒せたの?」

 オペの邪魔をしないように端っこへと移動する。

「あぁ……数日はここら一体の感染は起こらない」

 なるほど。かなりの樹木を破壊したということか。

「まだ感染元は見つからないのか」

「父さんは樹木の本体よ。宇宙からは同じ木にしか見えない。情報を集めるしかない」

「参謀総長。しっかりしてくれよ」

「わかってる。ワクチンだって、もうすぐできる」

 それが私がここにいる理由で、父が犯したことを終わらせる理由。

 

 私の血を利用して、父は紅葉化計画を行ったのだからーー。

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紅葉の血 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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