一部の人には後半受け入れがたいかもしれませんが、全体通して個人的には面白かったです。
序盤3割ほどタイトル通り主人公が1mmしか転移できない能力を駆使し異世界で頑張って生き抜きます。こういう能力の使い方かー!と感心して楽しめました。
後半7割はガラッと変わって(ネタバレになるので濁しますが)
召喚した国の行く末のお話になって、説明文が多くなり会話パートも少なくなります。
主人公の出番もかなり減り能力開拓もないのでタイトル的には寂しく感じてしまうかもしれませんね
ただ最終的にスカッとするのでこちらも楽しめました。
その辺わかっていると最後まで楽しめるんじゃないかなと思います。
この作者さんの小説は、使えないと言われるスキルを主人公の発想や努力で有益な物に変えていく過程がワクワクするし楽しめる。
文章力が高水準でストレスなく読めるのも○。
一方、スキルの能力を十全に発揮できるようになって主人公の立ち位置が安定期を迎えると途端に話が進まなくなり、延々と蛇足を読まされるのも他作と似た傾向。
ラノベ界隈の書籍化作品を見ると、まあある程度人気を維持して続刊を出し続けるのが最適な戦略かなとも思うので分からなくはないし、私が蛇足と感じている部分も人によってはボリュームのある肉付けと捉えるかもしれない。
しかし敢えて言わせてもらうなら、肉を「足す」だけでなく、「削ぐ」事ができるようになれば、より洗練されると思う、そんな作品。