ロリータ

バブみ道日丿宮組

お題:素晴らしい病気 制限時間:15分

ロリータ

 遺伝というのは、とても口惜しいこと。

「……」

 鏡に写る自分はとても小さい。

 胸から身長、お尻、足の長さまでが標準サイズをかなり下回る。

 母親は小さかったが、父親は大きかった。

 だからこそ、父親の遺伝子で成長するのだと思ってた。

 けれど、成長は小学校で止まり、それ以上伸びることも、増すこともなかった。

「……はぁ」

 いつまでも裸体でいるわけにもいかないので、タンスに向かい新しい下着を履き、パジャマを着た。

「……」

 この身体にあうのは、子ども向けのものしかなく、かわいい下着もキレイなパジャマも選べない。

 圧倒的に負け組だった。

 修学旅行で同級生の身体つきをみるたびに、血反吐がでそうだった。

 揉んだら大きくなるという都市伝説も試して、大きくなるというサプリメントも飲んだ。

 結果、何も変わらなかった。

 変えて欲しい現実は、依然として残った。

 個性だから気にしなくていいよと彼氏はいうのだけど、まわりにロリコンと言われてるのはなんとかしても変えてあげたい。

 私は好きでロリータ体型になってるわけじゃない。

 ボインボインにしてくださいとは言わない。せめて標準サイズにしてと願う。

 身体の悩みは尽きない。精神が成長するごとに疲弊していってる気さえする。

 全て小さいのがいけない。

 可愛いからいいじゃないとクラスメイトに言われるが、その身体つきでいうのはただのいじめだと思う。

「どうして皆発育がいいんだろう」

 誰もが巨乳な母親を持ってるわけじゃない。誰もが美人の母親であるわけでない。

 そうだというのに、私はわたしなのだ。

「……」

 ベッドに倒れ込むと、天井を見つめた。

 天井が近づくことを大人になるという本を読んだことがあった。

 一向に届かない私は大人ではないのだろうか。

 恋人もいるし、愛犬だっている。

 両親も祖母も祖父だっている。

 ないものはないと諦めればいいのだろうか。

 素晴らしい病気だと認識すればいいのか。

 あぁ、ほんと最悪だ。

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ロリータ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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