No.8 ゴミはやっぱ不遇だ。
翌朝、さっさと朝食を取り、簡易的な装備をし、玄関へ向かう。
すると両親はとても嬉しそうに「行ってらっしゃい」と声をかけてくれた。
俺は
「行ってきます!」
の一言を残し、家を去った。
ここで疑問を浮かべる人も多いだろう。
学校はどうした?
この疑問の答えは簡単だ。
政府の政策で全ての学校が閉ざされたらしい。
まあ学校どころじゃなくなって来てるしな。
政府曰く、冒険者育成の学校を建てるらしい。まあそうだよな。それがダンジョン攻略に対しての1番の得策なのかもしれない。
1番伸びるであろう子供を育てる。悪くないと思う。
まだそんな余裕はないと思うが、いつか開設して、世に貢献してもらいたいところだ。
「って、元引きこもり、現ゴミの俺が何考えてんだか。」
そんなこんなで蘭奈川ダンジョンに到着した。
入口に入ろうとすると、急に世界が暗転した。
一瞬混乱した。だが、すぐその答えは見つかった。
目の前に画面。まあそういうことだろう。
恐らく、これからは重要なことを告知する際はこんな感じになっていくんだろう。
それにしてもさすがに心臓に悪いな…
『了。精神的ダメージを感知。10分前の告知を設定。完了。』
まじですか…
なかなか便利なもんだ。
画面での本人確認を終えると、画面はすぐ消えた。恐らく設定で音声化したからだろう。
『異界結合率が5%を超えました。結合率の上昇率が低下し、全モンスターの能力値が上昇します。
これより規定の条件を達した者への特別ボーナスが発生します。達成者は………1人。』
おぉ。いるんだ。一体どんな過酷な条件なのだろう。
それにしてもこの異界結合率ってなんなんだろう。これが高くなるほどモンスターが強くなっていくってことなのか?全く、世知辛い。
『以上にて告知は終了。達成者に入ろボーナスが与えられます。』
「ふぅ。それじ『条件達成者、真柄 綾さん。特別ボーナスを与えます。』
「ふぇ?」
愕然としていると、画面が再び現れた。
------------------
特別ボーナス
スキル<成長促進>
達成条件:固有スキルを500回/24時間発動。
------------------
「よっしゃぁぁ!!!チートスキルきたぁぁぁぁ!」
感極まっていたが、達成条件に目が行く。
「おいこれってまさか…」
母さんと父さんがなにか臭うなと言ってたのは俺がずっとゴミと自負していたからなのか、、!
自負するだけじゃくて臭いも発するのかよっ!
「っと。そんなことはいい。結果よければ全てよしだ!」
そうして俺は新スキル成長促進を手に入れた。はずだった。
すかさず、成長促進の詳細を見ると、
------------------
成長促進
Lvアップ効率が格段に上がる。
ERROR:固有スキルにより、使用不可
------------------
「……は?」
これはさすがに驚きが隠せない様子だ。
「俺にだけ世知辛くて草…」
不遇にも程があるだろと少ししょんぼりしてしまったが、<ゴミ>を与えられたことよりはマシだろう。
そうポジティブに捉えることにして、ダンジョンに向かった。
以前の俺だったら、数日引きづるところだったが、今の俺には切り替えることが出来た。
「よし!スライム狩りだ!」
そう言って、ダンジョンに足を踏み入れた。
神にまでゴミと蔑まれた俺による脱ゴミダンジョンライフ〜神に仇なすゴミの冒険録〜 すい @sui0205
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。神にまでゴミと蔑まれた俺による脱ゴミダンジョンライフ〜神に仇なすゴミの冒険録〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます