アマビエの予言
鈴ノ木 鈴ノ子
あまびえのよげん
昔の姿絵をよく街中て見かける。
それは、立ち寄った飲食店から手続きに訪れた市役所までの色々なところでだ。
自宅近くの保育園を覗けば、園児のカラフルな色で彩られた塗り絵が飾られているし、はたまた、大きなポスターになって、百貨店に吊り下がったりしていた。
新型コロナウイルスの厄除けとして、私は崇められるよりはマスコットのような役割を担い、予言の昔話を元にして持ち上げられている。
しかしだ、私は今は海から上がって、陸で生活している。そう、せざるを得なくなってしまった。
今の海は昔ほど住みやすくはない。
大きい船がたくさん行き来し、漁船も溢れかえるほどに増した。静かな海は遠い昔の話…、今や海の中を進む船さえいる。
海にいて調子を崩すことも続いた。
原因を考えてゆくうちに、化学物質という、ヒトが作ったものによって、汚れた海の水が原因であろうとの結論に至った。
疫病退散、と書かれたポスターの前でため息をつく。
ヒトよ。
早く気がつかねば、手遅れになるぞ。
正しく自然を敬い、正しく畏怖しなさい。
君らが我々の疫病になる前に。
アマビエの予言 鈴ノ木 鈴ノ子 @suzunokisuzunoki
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