STWシナリオ『魔石怪盗と碧色の宝石』

老川雨池

シナリオ本文

所属ギルド HoE PC3~4人用


セッション用NPC素材⇩

https://drive.google.com/drive/folders/1LmI54_fwid2Mx5hBmc4UGMqLceQKt0lJ?usp=sharing

※保存して好きに使用下さい、元画像が大きいので加工して小さくした方が良いかもしれません。


PC1 君はトゥールビヨンで活躍している若き魔蒸師探偵である、君の目標はこの国に現れる神出鬼没の大怪盗"アルセーヌ"をいつかこの手で捕まえる事だ。それはそれとして探偵業だけでは生活が厳しい為魔蒸師としても働いている。

PC2~4 君はPC1の友人、または助手である。魔蒸師としてPC1と一緒に仕事していても良いし助手として一緒に事務所にいても良い。


オープニングフェイズ

シーン1 予告状

 HoEに所属している君たちはある日ギルドに寄るといつも以上にギルドが騒がしい様子であった、人々はある張り紙の前に集まっている。


『黄昏の獅子から暁の乙女へ

秒針のない時計が12番目の文字を刻むとき

光る天の楼閣からホロウアクアマリンをいただきに参上する

虹色の魔蒸師 快盗アルセーヌ』


読んだキャラクターは知力判定難易度9 

ホロウアクアマリンとは西の時計塔に使われている非常に高価な魔石である事が分かる。



 君達が張り紙をじっと見ていると同じく張り紙を熱狂的に見ていた一人の少女と目が合う。その見慣れた少女は白髪を揺らし碧眼に感情をのせて君達に話しかけてくる。

「来ましたね、怪盗アルセーヌの予告状。今度こそは私がこの暗号を解いてみせます。」

 そう言ってくるのは君と同じく魔蒸師探偵を志しているリシテア・リンベルトだった。


※ここで下記のNPCカードを情報の欄に公開する

NPC 青の魔蒸師『リシテア・リンベルト』 女16歳 白髪碧眼 

マギアクラス ハット 

【名探偵のような閃きと最先端の流行を貴方に】

 PC1と同じく魔蒸師探偵を目指している16歳の少女である、心の奥底ではPC1の事をライバル視している。父は街の名探偵、母は有名ブランドの青魔蒸師であり自分は二人のいいとこ取りをしたいなと野望を抱いている。

一人称 私 二人称 ○○さん 

※RPがキツイなと思う場合適宜性格の方を変えて下さい。このNPCの担当は推理を失敗する探偵役と月明かりの塔の紹介用なので削除しても良い。


PC1を動機づける場合以下の文章を用いる事。

 快盗を捕まえる、または魔石を保護することに貢献することができればギルドからも報酬が出るし君は名声も得られる。君にとってこれほど上手い話はない。


「…皆さんどちらが先にこの暗号が読み解けるか競争しませんか?」

「負けませんよ、私は本気ですから。」彼女は真剣な眼差しで外へ出ていった。


そこで大きく手をたたきながら登場するものがいた、マイルズ・スターチーだ。

「はーい注目!おっけーおっけー、みんなもう見たよな?なら話は早い、快盗に好き勝手に動かれたらマズイのよ、分かるな?」

「なんとか阻止しろ、活躍によっては報酬も出す、以上!解散!」



ミドルフェイズ

シーン1 第一のリドル 

 君たちは場所を近場のカフェに移して頭を悩ませていた。一行目の『黄昏の獅子から暁の乙女へ』についてである。


適度にRPを挟んだ後、知力目標値12の判定。


判定に成功 

 これは犯行日を表していることが分かる。黄昏は夕暮れの意味から終わりを意味し、暁は夜明けを意味から始まりを意味する。獅子座は7/23~8/22、おとめ座は8/23~9/22であるから犯行日時は8/22の夜となる。つまり今日である。


※このことをマイルズに伝えるとでかしたとニヤリと笑い君たちに個人に200Trくれる。

※判定に失敗した場合は得意げな顔をしたリシテアがたまたまカフェに入ってきて200Tr払いカフェラテを奢る事で教えてもらう事となる。



シーン2 閑話休題

 君たちは暗号に頭を使いヘトヘトであった。気分転換目的に外に出て散歩でもしよう、という事になった。(PCで誘導お願いします)

全員 体力難易度8 日頃の運動不足からか足をつってしまう。 HP2点消費

 君たちは時計塔が真正面に見えるちょっとした丘に来た、そよ風が心地よい。ここは知る人ぞ知る隠れスポットというヤツだ。ここにはベンチが一つあるだけでそこにはリシテアが座っていた、彼女は君達を見ると驚いたような表情をする。

「どうして皆さんがここに…?」

※PCの反応に対しては「なるほど…」と言って下に続ける

「ここは私が小さい時から母とよく来ていた思い出の場所で、”月明かりの塔”っていう名前の丘なんです。」


 急に突風が吹きリシテアが着けていた帽子を宙へと動かす。それと同時に彼女も帽子の方へと走り出す、このままでは彼女諸共崖下へと落ちてしまうだろう。


風で飛ばされそうになる帽子をキャッチする 判定難易度体力10

成功

君は上手く飛んでいった帽子が崖下に落ちる前にキャッチする事が出来た。

失敗 

君は帽子をキャッチする事が出来るが勢い余って崖下に飛び出してしまう、斜面を転がりながらなんとか飛び出していた木の枝を掴むことが出来るだろう。

HPに5点のダメージ

リシテアを引き止める 判定難易度感覚12

成功

君は上手く彼女の手を掴み引き止める事が出来た。

失敗 

君は彼女を強く引きすぎてそのまま後ろに倒れてしまう。

「すいません!怪我しませんでしたか!?」

HPに3点のダメージ


彼女は帽子を大事そうに抱えながら話す

「これは母から貰った思い出の帽子を元にして作ったんです。代えの効かない大切な物で…本当にありがとうございます。」彼女は嬉しそうに頭を下げる

「風も強くなってきましたし、ギルドに帰りましょうか。」



シーン3 第二のリドル

 ギルドに帰った君たちはまた頭を悩ませていた、急にリシテアがこれはアルファベットなのでは?と呟く。

「アルファベットの12番目はL、よって犯行の時刻は深夜3時です。今が夕方の5時ですからまだ時間がありますね。」

「先程のお礼も兼ねて夕食でも一緒にどうですか?」

「実はチエロ・ブルの割引券があるんです、でもこれ一人だと使えないんですよね。」


※チエロ・ブル

 トゥールビヨン南部の一等地にあるレストランである。料理は非常に美味しいもののオーナーであるピエトロが、女性客と男性客で接客態度に差がありすぎるという問題も抱えている。詳しくは公式NPC欄を参考にしてほしい。


店に行くとピエトロはリシテアと女性PCからは割引券を受け取るが男性PCからは受け取らない、女性PCやリシテアがお願いすれば受け取ってくれるだろう。


適度なRPを挟む


判定難易度感覚10の判定を行う。

成功 

貴方はふとあることに気付く、12番目というのはアルファベットではなくこの文章の12番目、つまり『黄昏の獅子から暁の乙女へ』の【へ】午後7時20分なのでは…?

君はすぐさま店の時刻を確認する、時刻は7時10分を指している──。

失敗

判定に失敗 急にリシテアの食事の手が止まって顔から血の気が引いていく。

「あ…ああ!」と言って両手を静かに震わせる。

「勘違いしてました…、12番目というのはアルファベットじゃなくてこの文章の12番目!つまり【へ】で午後7時20分です!」

君達はすぐさま店の時刻を確認する、時刻は7時10分を指している──。


さらに判定難易度日常12

成功

店の目に運良く蒸気自動車のタクシーが停まっていた。ともかくこれに乗るしかないだろう、時間が迫ってきている。

失敗

店の前にはタクシーはいないようだ、タクシー乗り場まで全力疾走しなければ。

HPを3点消費


君達が立ち上がるとリシテアは「ここのお代は私が責任持って払いますので先に向かっていて下さい!」と声を上げる

※リシテアが付いて回るとクライマックスフェイズでNPCが増えるのでなんとか理由つけて退場させて下さい。



シーン4 最終リドル

君たちはタクシーに乗ったはいいが肝心の場所が分からない時は止まってくれない、できるだけ短い時間で最後の謎を暴く必要がある。

情報を確実に整理するという 難易度技術12

直感的に素早く解くという 難易度直感12

快盗に解答を叩きつけるという 難易度知性12 

に成功する必要がある、なお並行作業なので1人1回までしか判定は出来ない。

※失敗した場合、最終戦闘のエネミーが増加する(この事は公開する事)

 

 全ての謎は解けた。光る天というのは今日の満月を指し、楼閣は通常構造物に用いられる言葉ではあるが、君は行ったことがあるはずだ。建物の名前がついており、月が綺麗に見える場所を。



シーン5 忍び寄る影 

 月明かりの塔へ向かっていたが、これ以上はタクシーでは進めない。君たちの足で進むしかない。

 急に君たちの目の前に小さな黒い蒸気が現れ、人形のような形を作っていく。それは君たちに敵意を向け、襲いかかってきた。

判定 命中判定目標値12 

PC全員に[10-成功した人数d8]ダメージ、最低0。  

 蒸気が次第に消える。いつの間にか君達の目の前には、シルクハットを被り白のマントを身に纏った男がいた。月光の逆光を浴びている彼が怪盗アルセーヌで間違いないだろう、


※PCに対する返答はしない、何か発言があったら以下の描写を入れてクライマックスフェイズへ

彼は君達を見ると少しだけ口角を上げて不敵に笑う。



クライマックスフェイズ 

「見事だ、よくここまで辿り着いたね君達。ただし、変なねずみが付いてきてしまったようだ。」と彼が言った瞬間君たちの後ろから一人の男が現れる。


 男が手に持っている魔石は黒色だった。男はいきなり魔石を地面に叩きつけたかと思うとそこには先程君達を襲った正体不明の生物が現れる。

「あ~めんどくせぇ、もう全員殺しちまおうっと。そうすりゃ誰も文句言わねえだろ。」男はそう言って虚ろな目を君達に向けてシュートクラスのマギアを懐から取り出しニタリと笑う。


「私も協力しよう、ここまで巻き込む気はなかったからね。」アルセーヌはそう言ってマントを広げる、その内側には7つの魔石が付いており虹色の輝きを発していた。


戦闘

開始フェイズ 戦闘終了条件 敵の殲滅

特殊処理 ラウンドの最初にPC達に怪盗アルセーヌの支援表を用いる。


怪盗アルセーヌの支援表

1 赤 PCが与えるダメージに+1(累積可)

2 雷 PCの命中判定に+1(累積可)

3 白 PC一人のHPを5点回復

4 緑 PCが受けるダメージ-1(累積可)

5 青 マギア一つを選択してその蒸力を5点回復

6 藍 PCが次に発生させるダメージ+2、この効果は一度使うと消える(累積可)

7 紫 エネミー1体に【弱点:全色+3】を付与、この弱点は元の弱点に追加される

8 2d8を振ってその目に対応した支援を行う。


エネミー

敵前衛配置

名前:ブラックヴァイパー

種別:魔蒸生物 レベル:1

識別:12 属性 :黒

能力値:

体:3 技:3 感:2 知:4 日:1

HP:24

攻撃:蒸気噴出/命中:4(13)/射程:0/対象:単/《黒》+4

防御:回避:3(12)/防御力:3/弱点:《白》+3

特技:

《種別:魔蒸生物》

霧状の身体で相手の攻撃を促す、マギア以外からの攻撃の回避に+5の修正を得る。

解説:黒い霧状の謎の生物、近頃トゥールビヨンで目撃されるようになった。


1体+X(シーン4で失敗した数)登場する、PC4人の場合は1体追加する。


敵後衛配置

名前:浮浪の黒魔蒸師

種別:人間 レベル:2

識別:14 属性 :-

能力値:

体:4 技:4 感:3 知:3 日:1

HP:28


攻撃:マギア(シュート)/命中:6(15)/射程:1〜2/対象:単体/《黒》+7

ギア値:4/2/1/2

※このギアロールではクリティカルしない

防御:回避:6(18)/防御力:3/弱点:命中+1

特技:

《種別:人間》《マギアホルダー(劣化)》《ディーラー(E)》

《ハンターズコンバット》

タイミング:メイン。射程:0。対象:単体。

命中力:6(15)。攻撃力:《無》+7で対象に攻撃を行う。(このとき、ギアロールでダメージを算出しない)

解説:

 謎の生物を使役する黒魔蒸師。使用するマギアホルダーはろくに整備もされず劣化しており、通常の性能を引き出せなくなっている。


一人、一応ボス扱い



エンディングフェイズ

シーン1 エスケープ

 戦闘が終わると既に君達の周りに怪盗アルセーヌの姿はない、ふと後ろを見るとハンググライダー型のマギアで飛んで逃げる所であった。

「今回は引き分けしようか魔蒸師探偵、それじゃあアディオス!」


 アルセーヌはシルクハットを置いていったようだ、そのハットにはメッセージが付いていた。

『これを持っていけば怪盗アルセーヌと激闘を繰り広げ撃退したという証拠になる、ギルドからの報酬も貰えるはずだ。どう使うかは君達に委ねるよ。怪盗アルセーヌより』



シーン2 依頼達成

 君達がギルドに帰ると、一目散にリシテアが走ってきた。

「あ、あの!どうなりました!?」

「なるほど、引き分け…ですか。それじゃあ私達の勝負も次に持ち越しですね。」と、彼女は安堵する。

 彼女はじっと君の持っているハットを見つめている。

「私も緑魔蒸師の端くれですから、それが本当に良く出来ている物だって理解出来るんです。でも、何処かで同じ裁縫を見た事があるような…?」彼女は少し考えたようだが思いつかなかったようだ。

「まあともかく、それをマイルズさんかオリヴィアさんに見せれば報酬金が貰えると思いますよ。」

「何度も言いますけど、次は負けませんからね!」と言って彼女はギルドを飛び出す


遠くから「でも帽子の件はありがとうございましたぁぁぁ!」と聞こえてくる。


※後はPC達に会話を任せて自然に締める


『魔石怪盗と碧色の宝石』、シナリオ終了。

報酬 一人1200Tr。




以下、シナリオ背景とキャンペーン用のフック。


○怪盗アルセーヌについて

 リシテアと同じ綺麗な碧眼を持つ。基本的に愉快犯であるアルセーヌだが、最終目的はこのトゥールビオンに存在する魔蒸師の育成である。彼はこのトゥールビオンの国家の裏に潜む闇に薄々勘付いており、いざ重大な事件が起こったときでも柔軟に魔蒸師達が対応していけるよう、さまざまな難題を魔蒸師たちに叩きつけているのだ。

 

○トゥールビオンに潜む陰謀

 トゥールビオンは多くな優秀な魔蒸師達が揃っている、つまり世界的に見ても数多くの貴重な魔石がこの国に集中しているということである。もしこの国にある魔石を全て独占し、独立国家を作り上げることが出来たならば強大な軍事国家が成り立つ。世界を手にすることも難しくはないだろうという夢物語のような考え方から始まった組織、名を『トレド』という。未だ全てが謎の組織であるが、近頃黒の魔蒸師が増えてきた事や謎の魔蒸生物の出現からトレドの根は予想以上に広がっていると考えられる。


○魔蒸生物について

 トレドの研究によって生まれた副産物。黒の魔石から発生した黒の蒸気をある程度過密することによって、それは意思を持ったかのように動き出すのである。今の所その生物と思われるものは作成者の命令を聞くといった事が分かっている。


あとがき

 コナンのパクリです、シナリオお疲れさまでした。


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STWシナリオ『魔石怪盗と碧色の宝石』 老川雨池 @munou

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