第9話鉄

「鉄、か…!貴様らにくれてやる鉄など無いわ!!」

ドワーフ達は、敵意をむき出しにし、そう言う。

「ええー♥何でぇ♥」

そう言って、ラスモキは、一体のドワーフの腕に腕を絡ませる。

「誰か…!誰か!この気持ち悪い奴をわしから離してくれ!」

ドワーフは顔を青くしながら言った。

これって、「何だこの可愛い生物は!」ならぬ「何だこの気持ち悪い生物は!」だなあ。

お色気作戦みたいだけど、逆効果になってるよ。さすがラスモキ。キモイスライムなだけあるな。

「ラスモキ、ドワーフから離れるんだ。嫌がってるだろう。」

仕方がないので、離れるように言った。

「しょうがないわね♥」

ラスモキは、意外とすんなり離れた。

「その代わり、デートしてね♥」

良祐の顔が青くなる番だった。

「キモッ!」

言ってしまった。おわた。

「うふん♥嬉しいわあ♥」

ぶっちゅううう!

「おえーーー!!!」

ドワーフ達+マルクルは、僕を憐れむような目で見ていた。

「苦労しとるのう…。」

「良祐ガンバ…。」

俺は、力尽きた。目の前が真っ暗になった。


〜〜♪


眩しい。気づくと、輝く人が目の前に居た。

「あれ…?」

良祐の頭に疑問符が100個続く。

「あれれ…?」

輝く人の頭に疑問符が1000個続く。が、すぐにハッとしたように言った。

「もしかして、あなた、死んだのですか?」

「えっ?」

あっ!確かに。ゲームオーバーの音が聞こえたような気がしないでもない。

「さようなら…!」

「へ?ちょっ、ま…!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界カーディーラー るり @k197

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ