檻の君

身分階級がある時代。ある貴族の屋敷に、令嬢が一人部屋に閉じ籠っていた。彼女の両親は後継ぎが生まれず、娘が生まれたことで関係は悪化。

家を継げない女には用はないと言わんばかりに、夫婦仲は完全に冷めてしまい、今では互いに愛人の家に入り浸る日々。娘のことなど忘れ去ってしまった。使用人達は令嬢を憐れみ、世話をし続けるものの、令嬢の心は閉じられたままだった。

そんな令嬢が心を許す相手は長年仕えてくれる一人の執事だけだった。しかし、執事はいつまでも自分に依存させてはならないと辞表を提出、令嬢にもその旨を伝えるがーー？

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