星を追う少年

1話

ジョンの家から遥か遠く離れた砂漠で、1人の少年が空を見上げていた。


「あー!しまった!!もう少し西か!!」


光る何かを指差して、手綱を握りなおす。


その先には無数の大きな羊たち。


「よぉーし、皆!!西だ!!行くぞー!!!」


少年が手綱を動かすと、羊たちは西へ向かって走り始めた。


目標は光る何か。


猛スピードで走る羊たちの顔には太陽のマークが描かれた布がかけられていて、前が見えないはずなのに目標に向かって一直線に走っている。


夜中に太陽なんて、他の人が見たらきっと、異質な光景だろう。


でも、この場にいるのは少年と羊だけ。


羊の後ろにいる少年は少し大きめな荷車に乗り、光る何かだけをジッと見つめていた。


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星を追う少年 のらだぬき @uzu_tanuki

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