わたしとゴンのエピソード【あとがき&解説】
山原 もずく
■■■あとがき■■■
子供はしばしば
一人遊びをする
それは見えない敵と戦ったり
見えない友達とご飯を食べたりする
幼い頃の記憶を辿ってみる
物心ついてから5歳くらいまでの
すごく曖昧な記憶
私は「ごんぎつね」と一緒に、
よく公園で木の実を拾っていた。
作中では栗や松茸を拾って人間に届けるのだが、
私の住む沖縄にはその植物たちは生息していない。
私は彼と「ガジュマル」木の実を集めていた。
集め終わると、その成果を公園を囲む
小さなコンクリート塀の上に並べて
分け合いっ子をする。
2人なので奇数の場合は
1つ余ってしまうが
それをいつも譲っていた。
幼稚園に入って実際の友達が出来事ると、
彼と遊ぶ機会も減り、やがて
私の記憶からも姿を消していった。
そんな彼との出来事を再び思い出したのは
ついの最近のである。
ある時「暇だから」と友達の家で
DVDを鑑賞会が始まった。
それぞれが好きな物を借りてきて
それを一緒に鑑賞する。
最近はもっぱら動画配信サービスの
お世話になっているので、
「最新作」かそこには無いような
「ディズニー」もしくは「ジブリ」を
借りようと決めてレンタルショップへといった。
そんな私の目に止まったのが
ジブリ作品の「となりのトトロ」であった。
もちろん「最新作」の洋画も借りてある。
私にとってソレは
「何回もテレビで見てるじゃん!」
という笑いを取るためのネタであった。
上映の順番を決め、それぞれの
「イチ押し作品」を観る。
ひと仕切り観終わると、後は雑談をしながら
「候補」にならなかった作品をとりあえず流していた。
ジブリ作品は不思議だ。
何度も観てきて内容まで暗記している作品でも、
流ているとつい観てしまう。
VHSでもDVDでもテレビ放送でも
幾度と観ているはずなのに
気付けば画面の前に鎮座し最後まで観てしまう。
この日も、友達が何気なく再生した
「となりのトトロ」に皆、雑談をやめ魅入ってた。
物語がおわりエンディングが流れ始める。
友達が軽く口ずさんでいた。
誰でも知っているあの歌だ。
私もつられて歌いだす、詳細な歌詞など
覚えてなくてもハミングで誤魔化しながら歌う。
そして象徴的なフレーズ
「子供の頃にだけ〜」に差しかかった時だった。
私の中に幼き日々の「ごん」との思い出が
猛烈な感情とともにフラッシュバックしてきた。
いい大人な私は嗚咽を上げて泣き出したが
友達は酔っ払って泣いたのだろうとケタケタと笑っていた。
成長し、数々の作品に触れ、
知識を溜め込んでいくうちに
「視点がどうだの」「表現法がどうだの」
「響きがどうだの」と技巧にばかり目が行き
作品を「嗜む」だけになっていた。
その楽しみ方も間違ってはいない。
おそらく私にとってそこが
「子供」と「大人」の分岐点だったのかもしれない。
作者の真意を読み解く事も、もちろん大事だ。
あくまで物語は読み手が主役であるというのは言うまでもない。
しかしそれは
「誰かの物語を独自に解釈しなさい」ではなく
「あなたも物語の中を一緒に歩きましょう」
ということであると、今になっては思う。
もう私が彼と一緒に遊ぶことは
叶わないのだろうが
彼の笑顔が永遠に続くことを
思ってやまない
↓↓↓ 以下解説だよ!
武蔵野 という言葉はでてきませんが
彼女が迷い込んでいるのは
数々の文学やアニメに影響を与えている武蔵野の森です。
「インスピレーションの森」と言い換えてもいいかもしれません。
多くの物語たちの故郷である武蔵野
様々な人がそこで「インスピレーション」を受けて作品を作り、
その作品を観て、新な人が新たな作品を生み出していく。
そんな「輪廻」を書きたくて書いてみました。
(そこは文字数足りなくて数行しか書けませんでしたが)
彼女が狐と入る最初の物語の舞台はご存じ
「トトロ」の世界(けむくじゃらの狸=トトロ)
2回目は落ち葉を2枚同時に使って
「武蔵野に伝わる巨人の伝承」と
「宮沢賢治のヤマナシ」(クラムボン)の世界へ行っています。
梨のお酒飲んでみたいですね、、、
現実世界でクワズイモの葉で飲んだら
酷い目に遭いますのでお気をつけて。。
最初の大きな足音は「ダイダラボッチ」です
足跡から沼湖が出来たという話をモチーフにしています
川に入る時、小人になるのは「アリ〇ッティ」の影響です。
川辺の蛍にも身に覚えが、、、
わたしとゴンのエピソード【あとがき&解説】 山原 もずく @mozukune-san
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