主人公が転生したキャラクターが「物語の黒幕」という事でキャラクターや何となくのストーリー背景、モンスター、アイテムなどゲーム知識はあるものの「黒幕」とは「ストーリーの裏側」で活動していた存在なので「原作の彼が何をしていたか」の詳細は主人公の「魔剣」の能力を含め主人公自身すら分からないまま地道に努力を重ねてバッドエンドを回避しようと分かる範囲で最大限努力して奮闘するストーリーです
他作品ではほぼゲームの全部の背景を理解していて立ち回る事が多いですが、この作品は主人公も詳細が分っていない分先の読めない作品に仕上がってます。ヒロインとの恋愛要素も癒されますし「え?このキャラクターが何か怪しさ出して来たんだけど…」などと本当に先が気になり、イッキ読みしてしまいます。また「布石」に該当する文の上には「'」がふられている事が多く読み進めていくと「あ!確かあの話の会話で…」と布石が出てきた話まで読み返してみたくなることは確実でしょう
コミックから入って先が気になったので一気に最新話の第5章完結まで読みました。RPGの正体不明の黒幕 (?) キャラクター レン・アシュトンに転生し、ヒロインを殺してしまうシナリオ回避を目指します。ただレンとしての意識が強く、ゲームでの知識以外の所謂「知識チート」は無く、あり得る未来を知っているその世界の人間という立ち位置。
全体的な印象としては、falcomの英雄伝説の軌跡シリーズ、特に閃の軌跡の雰囲気が強いです。剣と魔法に魔導船と呼ばれる飛行船の存在、国内の派閥争い、「魔王」の存在はあるものの、過去に封じられており、敵になるのはその復活を目論む国際的な組織。ヒロインを始め各キャラクターが非常に魅力的で、学園で出会う仲間たち、朴念仁のレンを巡る恋愛要素も。各章のラストには強敵との戦闘があり、章の始めにはクライマックスシーンのチラ見せがあったりと、分かる人には分かる「お約束」要素もりだくさんです。文書は読みやすく、戦闘シーンで時々分かりにくさがあるものの、全体的にすらすらと読めます。とにかくストーリィに余計なエピソードがほとんど無く、新しく出てくる部分的な情報が全て伏線になっているようで、しかも主人公以外の味方や敵側の視点が入ったりとその情報の出し方も工夫が凝らされているので先が気になってどんどん読み進めてしまいます。