前作『選り好みがはげしい蒐集家』で、愛しい者との運命的な出逢いを果たした主人公・青龍寺環。
先の短い不運な人生を送っていた彼は、妖退治に明け暮れながら、ただ一人、柚莉だけを思い続ける。
彼は己の運命に抗い、愛を手にすることができるのか。
一方、「東京地震」で乱れ始めた東京を舞台に、数多の妖たちと、環の体内に宿る妖・「白銀のキツネ」の力が大きく動き始めた……
大人になった青年たちの、バトルに仕事、友情と恋愛模様が鮮やかに織り上げられていきます。
突っ張っていた環の心がどこまでも切なく、妖とのバトルはどこまでもクールでカッコよく。
ダークな色調をまとう本作に、心沸き立つこと間違いなしです!
妖《アヤカシ》がいる。それは決して表には出ないが、霊力《チカラ》がなければ、狩ることができない――そんな世界で、圧倒的な霊力《チカラ》を誇る男、環《たまき》。
しかしながら、霊力《チカラ》がいくら強くても、その意のままにできない人がいた――その男、柚莉《ゆうり》。
妖を狩りながらも、環のキモチはいつも柚莉に向いている。
が、柚莉は――彼はそのキモチを知ってか知らずか、まるでベアトリーチェであるかのように、環のキモチをぐらつかす。
そして、揺れ動く環の胸中に乗じる、妖しの影――。
今、まさに佳境を迎える二人の物語。
ぜひ、ご一読を!