このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(92文字)
昨今は、ハチャメチャな設定で目を引く“ニンジャ”が多い中、この作品は真摯に“忍者”を描いている事が伺えます。そして、運命と因縁の付きまとうボーイミーツガールものとしても読ませる物語となっております。
天涯孤独となった異能の少女を主人公とした時代小説です。よくある時代小説は、文章も難しく登場人物も次から次へと増えていき非常に読み辛い作品が多くあります。しかし、この小説は必要な人物を必要な数に絞って描写していることで混乱することがなく、また世界背景の説明が非常に丁寧であることで情景がありありと浮かび上がります。異能に隠された秘密とそれを狙う影。王道ファンタジーの空気を感じることも出来る、素晴らしい作品です。