第11話

恥ずかしい

バタバタと音を立てて私は姉から逃げ,自分の部屋に向かった。

“はぁ〜心臓がやばい…どうしよう”

そう思っても,もう既に姉にはバレていると言うことは明白だ…

そんなことを考えているうちにいつの間にか私は眠ってしまっていたらしい。

そして朝になってスマホのアラームが鳴って目を覚ますのだった。

“んっ?うるさい”そう思いながらアラームを消して,はっと飛び起きた。

“はぁ,お姉ちゃんと会うの気まずい”

そう思いながらも起きないわけにも行かず,リビングへと降りていった。

「あっおはよう。夏樹」

「お姉ちゃん…おはよう。でも,昨日のこと許してないんだからね」

「はいはい。ごめんって…ついつい調子乗っちゃった。夏樹が可愛いんだもん」

「そんなことはないよ。それで…」

「話さなくていいよ。もうわかったから」

ニヤリと笑った。

「もう…お姉ちゃんったらなんでそんな顔するの」

「妹が可愛いなって思って」

「うーん。そんなこと言わないで…なんか恥ずかしい」

「じゃあ,私は今日これから用事あるから行くね」

「いってらっしゃい」

なんだかんだでいつも通りの会話ができたような気がした。

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春の日のこと 明日野もこ @asunomoko0620

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