03

 三連休が終わり、久々の教室。


「おっ、我が校屈指のカップルのご登場だぁ〜」

「え、なになに。いつもに増してラブラブじゃん」


 教室に入った俺と有希を見るなり、クラスメイトが質問攻めしてくる。

 それもそのはず。俺たちは普段しない恋人繋ぎをしながら登場したから。


「翔吾が昨日、寝かせてくれなかったから、支えてもらわないとダメなの〜」


 と、俺の肩に頭を置いた。


「「!?」」


「いや、ちょっ……」


 一応、人の前でそういう発言は……。


「ね、翔吾〜?」


「俺に何を言えと」


「昨日のお熱いレスリングごっこの感想♪」


「……」


 あーこれは、また厄介なことになるぞー。

 これからも俺はこの一枚上手の彼女に振り回されるのだろう。


 クラスが騒がしくなった隙を見計らい、有希が耳元で囁いてきた。


「あと半年間。アタシが雪乃白雪とバレないように隠さないとね」


 半年後。俺は正式に雪乃白雪の専属マネージャーを務めることになる。そしていずれ結婚も……。


「あはは……お手柔らかに頼むよ」


 苦笑いする俺に彼女は少し声を整えて、


『よろしくお願いします。さん♪』


 白雪ちゃんボイスではにかんだ。


 推しのアイドルと幼馴染のカノジョ。

 どうやら俺の本当のラブコメはここかららしい――



                                






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【完結】推しのアイドルに「彼女ができた」と報告しに行った翌日、結婚報道が流れた。 悠/陽波ゆうい @yuberu123

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ