一人目

20XX年人類は、愚かな争いをし、天罰が降った。そして、人類の半分がいなくなり、その代わりに生まれた生き物が、半人間の姿になった獣、「獣人」や「半妖」などが生まれた。

そしてわずかに生き残った人間は特別な力を与えられた。

それは、魔法。

その魔法使いのうちの一人がここ、cafe コノハの店主、天色木ノ葉である。

そして彼女に与えられた魔法は、物を通しての治癒、精神の安定だった。

そこで彼女は考えた。

「もしかしたら、この力を使えばいろいろな人を救えるのでは?」

と。では、どうやってやろうと考えたときに真っ先に彼女の好きな紅茶が浮かんだのである。

そうしてできたcafe コノハ。今日も人はやってきます。


チリンチリン

「いらっしゃい」

今日の一人目は、あぁ。猫との半獣人、さつきちゃんだわ。

「今日はどうしたのかしら?」

そう聞けば、俯きながら、

「聞いてほしいことがあって・・・・・・・でも、木ノ葉さんに言っていいことなのかな・・・」

「なんでも私に話しなさい。大丈夫よ。聞いてあげるから」

そういえばパッと顔をあげ、

「・・・!うん!」

と言っているさつきちゃんの顔があった。

さ、相談とは何か。

「で、どうしたのかしら?」

「あ、あのね・・・」

そういい、ポツポツと話し始める。

彼女曰く、彼女のこれからお見合いする相手がいけ好かない男らしい。

そして、彼女には好きな人がいるからその人との婚約を進めたいが、そのいけ好かない男がいて婚約もできないということを話された。

「・・・う〜ん」

恋のお悩みはこれまでも何回も聞いてきたけれども、ね・・・。

「駆け落ちしちゃったらいいんじゃない?」

いっそのこと。と付け足す。

それが一番手っ取り早いし、早く逃れる方法だろう。

「だって二人は愛し合ってるんでしょう?」

「うん・・・」

じゃあ、駆け落ちしてしまえば良いじゃない。

私からは、そうとしか言えない。恋愛はあまり得意じゃないの。

彼女は、きた時よりもさっぱりとした顔で、そうかも。確かに、木ノ葉さんのいう通りだわ。と呟いている。

「さ、解決した?」

「ありがとう!木ノ葉さん」

そういうと、彼女は残っているお茶を少しずつ飲み始めた。

「お茶菓子は、どう?・・・今日のお茶菓子はアールグレイクッキーとバニラクッキーよ」

「お願いします!」

どう?というか、出し忘れてしまったのだ。礼儀とかの点ではダメだが、お客さんが喜んでくれれば良い。

そしてその後は、二人で、お茶を飲みつつ適当に駄弁って半日が終わってしまった。

だけど、そんな過ごし方が一番有意義に過ごせたと感じる。


「ありがとう、木ノ葉さん。とても楽しい時間だった!」

「私もよ、次来るのを待ってるからね。」

「は〜い」



cafeコノハへのまたのご来店を楽しみにしております。

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