いつも誰かに支えられてここまで歩いた、今度は誰かを支えられるように

死別は誰にも訪れるし、大好きな人との別れもまた然り。
だからこそ、目を背けずにはいられない。

現在過去未来の順に物語が構築されている。
また、冒頭に結論をもってきてからの作者自身の意見や体験を語り、物語が展開し、最後に全体を通しての結論を持ってきており、論理的な書き方がなされているので、読者に伝わりやすい。
冒頭の葬儀の様子がよく書けている。

兄の運転する車中で泣いたときのエピソード。
歌詞を口ずさむと涙が溢れ出したことや兄の話、対面した曽祖母を前に恥ずかしさから言葉をかけられなかった自身のことなど、具体的に書かれている所が良い。

言葉では伝えられなかったかもしれない。
でも伝える行為をしている。
なので気に自分を恨まなくていい。
後悔するのなら、此度の経験を教訓として、これからの人生に活かせばいい。
それが曽祖母から学んだ教えとなるから。