第4話 ご、ごめん

 しばらく、平原を歩いていくと、少年は何かを見つけた。


 見つけたとしても、遠いので、何を見つけたのかはわからない。何かがあるかもしれないので、そこに向かうことにする。


 だが、遠目でも、よく目を凝らすとその物体が動いている事に気づく。そんな少年んは不思議な想いを抱えながらも、歩く速度が止まらない。むしろ、早くなっている。


 少年はその物体を追いかけた。…が、その物体が遠ざかっていると気付いた。


 そこで、少年は一つの憶測を展開する。


 その物体には並行速度しており、二足歩行もありなん、四足歩行で行動しているように見えない。また、確証はないが、速度が一定を保っているように見える。


 そんな機会じみた行動など、動物とは考えづらかった。


 だから、あれを、動物と捉えず『物体』とういう、不特定的な表現を考えることにした。


 すると、一時的にその物体が止まったように見えた。相変わらず、まだ距離があるので、それが定かではないが、止まっているように見えるのも気の所為ではない。


 いちささやかな時間が流れると、また、その物体が動き出す。


 少年は不思議な気持ちでそれを追いかけることにした。


 少年は草原をかけ抜く。


 物体は木に隠れた。少年はそれをチャンスだと思い、ゆっくりと物体の方に近づく。物体は木の後ろ方面に隠れているので、幸い、こっちの状況は把握されていない。


 少年は不本意にも、木々に近づく。少年はあと一歩で木の後ろを覗く、………が、


 「今だ!!、ロープを降ろせ!」


 「っは、わかりました!早くしろ!」


 少年は肩をビクッと、震わせ、頭上を見てみれば、ロープ編みのようなものが展開していた。


 が、避けるのも手遅れのようで、少年はそのまま捕まってしまう。


 「な、なにこれ…!」


 少年は自分の大参事に困惑していた。事態を深刻に考えたのは、自分の様態を確認したときだった。


 「……な、なにこの編みのロープ」


 「ふん、貴様を縛っておいたのだ。見ればわからんか?」


 「で、でも、…なんでだよ」


 「……貴様。さっき、自分が起こした行動を思え返して見ろう…。しつこく儂らを追いかけましたじゃないか!」


 「……あ」


 そこで、少年は自分が起こした非を改めて思い返す。だが、しかし、悪意があって追いかけましたわけじゃないのだ。誰しも、好奇心に抱くものを追いかけると思っていたが、むしろ、この小さなおじさん?に火に油を注ぐだけなので、口を噤んだ。


 「…ご、ごめん。わざとじゃないんだよ…。ちょっと、気になって追いかけてしまっただけで……」


 「その追いかけ回しの原因で、どれだけ、苦労をしたか考えてみろう…」


 小さいおじさんたちとその後ろに綺麗に整列している兵にも見えなくもない人達を見る。確かに、この小ささで、大きなものに追いかけられたら、一瞬でも恐怖を覚えてしまうだろう。


 


 









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森の中でさまよう少年、そこにあったのはファンタジーな世界だった ポタいち @pota_ichi16

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