第53話 夢が叶う日
いっちゃん最初に浮かんだのは、高校のときの友人の顔で、次に頭に浮かんだのは、「ごちゃんで悪口書かれたらやだなあ」でしたごきげんようおなつです。
自覚も実感もあんまないので、今はタッキー退社のニュースにうひょおーう……ってなってます。こわいこわい。
さてさて、ありがたいことに、いつぞや書いていた『お姉ちゃんの透明マスカラ』って短編がですねえ、5分で読書の優秀賞に選んでいただけてまして、晴れて書籍化作家さんの仲間入りが決まったはずでーす! いやほんと実感も連絡もなんもないから知らんけど状態ですがね。ヤホーイ! イエーイ!
わたしが中学生だか高校生だかから抱いてきていた夢は、いつか自分の、「山田夏緒」というこの名前が、ハードカバーの背表紙に印刷されて本屋さんに並ぶこと、でした。いや考えてみれば本当にこの名前とも長い付き合いですわ。
短編集だから背表紙にわたしの名前が載ることはないし、ハードカバーでもないので、叶えたかった夢が叶ったわけではないですけど、まあ、半分くらいは近いところに行けたかな、と思っておりますですはい。
取り敢えずあの日はねえ、カクヨムさんで発表されて近況ノートでみなさんに沢山お祝いしていただいて、そのあとは高校のときの友人たちと、実父と、妹に報告の連絡をしました。
みんながみんな本当にまじでめっちゃ喜んでくれてさ、おめでとうとか、買うからね、とか言ってくれてさ、なんっちゅうかこう、わたしにとっては受賞したことそのものよりもね、こうしてみんながわたしのために喜んでお祝いしてくれたことのほうが余程、何倍も何万倍も価値がありました。ありがとう。
ちなみに目に見えて一番興奮して喜んでいたのは旦那でした。笑 ありがたいことですね。
今はもう連絡を取っていないんだけれども、高校生のときにわたしの書いた話を読んで泣いてくれた子がおりまして。
本当に、真っ先に彼女の顔が頭に浮かびました。教室の窓際の席でさ、休憩時間でさ、わたしがさっきの授業中にルーズリーフに書き連ねたものをすぐに読んでくれてさ、ごめんルーズリーフちょっと汚してもうた、って下のほうについた水滴をちょいちょいって擦ったんだよね。彼女があのとき泣かなかったら、わたしは今もう字書きをしていなかったかもしれない。
中学生のとき、担任の先生が「書いてや、書いたら読まして」って言わなかったら。
高校生のとき、今まだつるんでくれてる彼女らと出会わなかったら。
担任が進路指導で「おまえ程度のやつなら掃いて捨てるほどいる」なんて言ってくれなかったら。
大学生のとき、あの占い師さんが「今の趣味をやめないほうがいいよ」と言ってくれなかったら。
日常に追われたストレスの捌け口に、わたし自身が「書くこと」を選ばなかったら。
自サイトをやっていたときに、ファンです、好きです、こんなの読みたいです、応援してます、って言ってくれる彼女たちがいてくれなかったら。
カクヨムでこうして仲良くしてくれる人たちと、出会えていなかったら。
そんなことを考えてました。
独りよがりで書いてきたつもりだったけど、よくよく考えたらたっくさんの人たちに支えてもらってきてるなあって。なんかもんのすんごい実感しました。ぶっちゃけあんま気合いを入れてとかめっちゃ頑張ってとかそんな感じで受賞したわけではないのでアレなんですけれども、それでも、結果みたいなものに繋げられたかな、良かったかな、胸を張ってもいいかな、と思ってます。実父に電話したときに「夢叶えたったでえ!」と大見栄切って言ったんですが、なんかそのときだけちょっと泣きそうでした。笑
いやでもあれよね、これで添削エッセイのほうにも箔がつくってもんですわ!
そこはちょっとひと安心してたりします。もうあんま覚えてないんだけど、『お姉ちゃんの透明マスカラ』の制作過程とかをあっちのエッセイに書いたら需要はあるのかしら。自分のための備忘録として書きたいなとは思ってますが。
ぼちぼち冬ですね。11月じゃないですか。衣替えは済みましたか?
わたしは先日学校に行かなければならなかったのにかこつけてパンツ2本とロングスカート1本を買いました。青と緑と茶色です。気に入ったのでほくほくです。
縁側と猫と座布団とお茶 夏緒 @yamada8833
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