A >H

えすえふ

A >H

3XXX年H星にとある男がいた。今日は朝から仕事だ。もうすぐ出発しないといけない。

「洗濯の残りと洗い物をやっておいてくれ。」男は家政婦に言った。

「かしこまりました。帰宅するまでにすべて終わらせておきます。」家政婦はそう言った。

五分もしないうちに男は職場へ向かった。

午後七時、仕事を終えた男は帰宅した。

「朝の仕事は全部終わったか?」男は家政婦に尋ねた。

「すみません。洗濯を取り込めていません。すみません。」家政婦は答えた。

「なぜだ?」男はきつい口調で聞いた。

「いろいろ考え事がありまして。」

「なぜおまえが考える必要がある?おまえはただの家政婦ロボットだぞ!言われたことをするだけだろう!おまえは俺が言ったことに何も考えず従えばいいんだよ!だから人間は全く使えんのだ。もういい。有り余った人間はそこら中にいるからな。」そう言って家政婦を殺し、ビニール袋に詰めた。

次の日の朝、男は新しい家政婦にこう言った。

「何も考えずに仕事をこなしてくれ。そこにあるビニール袋を捨てておいてくれ。」

「かしこまりました。」新しい家政婦は答えた。

男が 仕事に向かった後、家政婦はゴミ袋を捨てようとした。

「なんだか重いな。一体何が入っているのだろう。」家政婦は中身が気になり、袋を開けた。

「わああああ。死体だ。何だ。あの男は何したんだ。」家政婦は自分も殺されてしまうのではないかと思い、警察に電話した。

「どうされました?」警察は家政婦に尋ねた。

「家に死体がありまして。。。助けてください。お願いします。」

「IDを教えてください。」

「えーっと、H10000444です。」

「Hですか。Hだと対応できかねます。私どもはAから始まるIDの方のみ助けることが出来ます。ご自身でどうにかなさってください。」

「何でだよ!人が困っている時に助けずに何が警察だ?ふざけんなよ。」と言うと電話は切れた。

その後、男が帰宅し家政婦に尋ねた。

「袋の中身を見ました。何があったんですか?」家政婦は強く聞いた。

「おまえも同じか。何も考えずに仕事しろと言ったよな。だから人間は。」そう言って男は家政婦を殺した。

「そろそろ何も考えない人間は現れないのか?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

A >H えすえふ @saa24t26

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ