第3話

村を出発してすぐ、俺は聖都へと向かった。なんと、聖都にはダンジョンというものがあるらしい。ダンジョンとは、ゴブリンやオーク、その他の魔物達が住む洞窟みたいな感じだ。 ダンジョン別に難易度が設定してあり、それに見合う冒険者ランクの人しか入る事が出来ない。 前の俺には考えられないのだが、もしかしたらダンジョンへ行けるかもしれないのだ。 スキル吸収は弱いと言われているが、俺はもう棍棒術と居合スキルを持っている。通常、スキルは一つしか得られない。そしてその得たスキルから色んなスキルが開花していく。そうやって世界は回っているのだ。けど、俺のスキルは3個開花している。まだ、ステータスが低く弱いけど、

いつか皆に讃えられるような英雄になって見せる!!  


そう決意したところで俺がクロムに仕えていた頃に取得させられたスキル 気配察知に魔物の気配を感じた。このスキルはとても便利なもので俺の場合、約1キロ離れた場所でも何があるのかを察知出来る。まぁ、薬草が生えてる場所や水がある場所などは察知出来ないのだが……


スキルから情報を得た俺は臨戦態勢を取る。まずは町長に貰った棍棒を用意した。これがあれば棍棒術を十分使いこなす事ができる。

俺が戦闘準備が出来た時、 待ってました!とばかりに魔物たちが俺の前へと現れた。その種類は多種多様。ゴブリンやオークまでもがいた。ゴブリンはともかくオークは想定外だったため俺はすぐ様スキルを使う。


「スキル吸収!!」

その時、自分の頭の中にいつもとは違う機械音が流れ出した。


『スキル吸収失敗。 次回吸収発動まで5分……」


えっ? そんな疑問が頭の中に湧き出てきた。スキルは失敗するのか? 今まででスキルは失敗するということは聞いたことがない。けど失敗したって事はスキルも……


そう思いステータスを見ると案の定スキルは得られていなかった。ヤバい…そんな感情が心から漏れる。多分俺は何処かで慢心してたのだ。スキル吸収は強いから無敵だって……


けど実際は違う。今現在が良い例だ。吸収が出来なくても棍棒術と居合があるが、相手はオークだ。ゴブリンとは違う。ゴブリンから得たスキルでは上位魔物であるオークには勝てないのだ。俺は恐怖に襲われた。二度目の死の恐怖。 勝てるのか? もう無理だよ、元々吸収持ちだからいけなかったんだ。


そんな誰にも聞かれることの無い独り言が口から漏れた。もう何も出来ない。そう思った時、俺の頭の中に走馬灯のような記憶が流れてきた。


「なぁ、セルよ。お主は英雄になれる器を持っている。」


「儂の所まで来い。冒険者ランク最上位Sランクまで……」


そうだ。俺は忘れていた記憶を思い出した。選定の儀以降の仕打ちで記憶に閉ざしていたが俺には師匠とも呼べる人がいた。その人の背中をずっと俺は見ていた。魔法を使いこなし気配りも完璧なまさに英雄。そんなあの人に俺は憧れていたのだと……


こんな所じゃ終われない!! 俺は英雄になるのだから。俺はスキルを発生させた。


「スキル吸収!!」

一回目から5分たった後、二度目のスキル発動で今度こそと機械音が流れた。


『スキル吸収成功。オークのスキル身体強化を手に入れました。熟練度吸収成功。レベルアップ。レベル3になりました。……』


その直後俺はスキルを発動させた。


「身体強化!!」すると、俺の体がなんか、ふわっとしたものに包まれる感じがした。試しにステータスを見てみると攻撃と速さを表す数字が約2倍になっていた。それに気付いた俺はオークに向かって棍棒術を発生させる。「爆発棍棒!! いっけー!」するとオークは木っ端微塵になってその場には皮しか残らなかった。凄い…… 身体強化のスキルの凄さに俺は何も言えなかった。棍棒術レベル3で覚えられるこのスキルでも木っ端微塵にできたのだ。もし英雄棍棒だったらどうなってしまったんだろう? 気になりながらも俺は聖都へと足早に向かった。そして数時間後俺は聖都へと到達したのであった……


聖都へと着いて俺は冒険者ギルドへと向かった。とりあえず冒険者になる上で必要な職業ジョブは剣士にしとこう。吸収持ちだとバレてしまったら此処が王都ではなく聖都であったとしても阻害は免れない。俺は冒険者ギルドへ着いて冒険者登録をした。名前はセフィル 流石に本名は使えない。そして受け付け嬢に冒険者についての説明を受けてから俺は冒険者見習いとも呼ばれるFランクの

ギルドカードを貰ったのであった。


冒険者になって俺はまず泊まれる場所を探した。薬草採取しか受けられなかったがこれでも俺は結構稼いでいた。まぁ、本職のきちんと冒険者をしている人達には敵わないのだが……


俺がギルドを出て最初に見つけたのが

「安眠の湯館」だった。俺はこの宿屋に入るとその従業員に一泊何円かを尋ねる。


「一泊1000ニルだよ。食事と風呂をつけるならさらに500ニルいただくよ」


1ニルは1円だから実に安定な値段と言える。結果的に消費されるお金は1500ニルだ。これなら俺でも払えるかもしれない。俺はそう思い今日分のお金を女将さんに渡して言われた部屋へと入っていった。………


部屋はとても心地よい空間だった。まるで故郷のような感覚がする。俺は少し経った後夜食を食べてそのままベッドへとダイブした。ご飯を食べる前に風呂は入ったから大丈夫だろう。 あぁ、明日はどんな依頼を受けよう? 俺はそう考えていてそしていつの間にか眠ってしまったのであった。……


…………………………………………………………………………………………………………


ということで3話目でした。テスト期間ということもあってあまり話がかけていない……


今回セルは聖都へと着きました。この後はセルの冒険者生活を書いたりすると思います。


投稿から一週間ちょいしか経ってないのにフォロワー60人を超えたので出来るだけ投稿する予定です。


それと報告なのですが、この作品にレビューをもらいました!! ありがとうございます。自分自身二度目のレビューで歓喜極まっております。これからも応援よろしくおねがいします!!






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

吸収の経験王~吸収は熟練度も吸収出来ます!! 俺は弟(二代目) @2026336

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ