第7話

「大変だあああああ」


とある村人が、村に駆け込んでくる。


「どうしたんだ、そんな慌てて」


叫んだ彼に対して、その場にいた村人が言葉をかけた。



「モンスターがダンジョンから溢れてきたんだ!!


 ここに向かっているぞ!!」



(ついに来たか・・・)


俺は村人たちの会話を聞いていた。



溢れたモンスターの軍団は都に向かって突き進む。


本来ならこの村は消滅していたので、この地域を素通りする。


だが、俺が村を守ったので、そうはならない。



村がパニックになり始めているなか、ひっそりと俺は村の外にでた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ドドドッ


大勢のモンスターが移動し、地面が鳴る。



(すごい数だな・・・)


数の多さに俺は驚く。村から出て、偵察にきていたのだ。



本来、都にせまったこの軍団を、近くにいた主人公エリーと王子が倒す。


そして、さらに親密度を増していくのだが・・・



(アイツらのことなんか待ってられないよな・・・)


このままだと、村が教わられる。



(またお前の邪魔をしちまって悪いな、エリー・・・)


俺が戦闘の用意をしようとすると




「見て、アイツらだよ!!」


なんとエリーがそこにはいた。



「ああ、我々がここで食い止めようではないか!!」


そして、傍らには王子がいた。



(何でコイツらがいるんだ!?)


急に現れたエリー達に俺は驚く。



なぜ彼女達がここにいるか分からない。


が、彼女達がこの軍団を押しのけててくれればいいわけである。


俺は考えるのをやめた。


ーーーーーーーーーーーーーー


ゼェゼェ・・・


「量が多すぎるわ・・・」


「あぁ・・・」


彼女達は苦戦していた。


倒せたはいたが、あまりにもモンスターの量が多い。



(本来なら、こいつらを倒す高等魔法を使えるはずなんだが・・・)


遠くから彼女達を俺は見ていた。



「ぐっ・・・」


王子が張っていた、魔法障壁が消えかかる。


彼の魔力が切れかかっている証拠だ。



「きゃっ!!」


魔法障壁が消えかけ、モンスター達の攻撃の一部が主人公エリー達に襲い掛かる。



「大丈夫か、エリー!!」


「ええ・・・」


なんとか攻撃をよけることができたエリー。


だが、次はどうなるかわからない。




ガシャンっ!!


ついに魔法障壁が割れた。


王子の魔力が尽きた証拠である。



「ガァァ・・・」


モンスターは攻撃態勢に入る。



「うっ・・・」


王子はどうすることもできない。



「どうればいいの・・・」


エリーは魔法障壁が無くなったため、詠唱する時間がない。


そのため彼女は攻撃魔法を打つことができなかった。




「ガァアアアアアア!!!!!」


モンスターは口からビームを吐く。



「うわああああああああ」


「きゃああああああああ」


ビームが自分たちに向かってきて、二人は絶叫した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「どうして、ヒロインがここに・・・」 ~乙女ゲーに転生した俺はゆっくり過ごしたい~ マシュマロ @marshmallow0905

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ