自伝 ヒトリゴト

御鏡 鏡

第一編:その都度の現状

第一章:思いは重いのか

第1話 キーボード前での思考

 あれから約一年半、俺とその状況はあまり変わっていない。


 日々家に籠り特に何するでもなく、小説のネタを考えてみたり、鬱がひどい時は何もできない、何もせず何も考えずぼーっとしなければならないなどの日々が、続いている。


 相変わらず、月一の病院通いも続けている。




 ただ変化は少し訪れた。


 去年の冬ころだ、障害年金に手を出したのだ。


 色々回って、書類を用意し提出したのが去年の冬――


 だったような気がする。


 いやしかし、違うような気もする。


 書類をしっかりと見ないとわからないが。


 まあそんなものだ。



 変化が訪れたのは、今年の六月、年金の第一陣がおりたのだ。


 それにより少しは改善されたような気がするが、やはり気がするだけで以前とあまり変わりはしない。


 俺に、自由は無い。


 コロナの影響が、強く依然として存在するためだ。




 薬が効いている間は、少しマシな考えを持つことができている。


 だが薬を飲み忘れたときは悲惨な現実を突きつけられて、動けなくなっている場合が多い。


 習慣のはずなのだが、忘れるときもあるのだ。



 ワクチンは基礎疾患を持っているためか、二回目が終わっている。


 三回目はまだ通知が来ていない。


 だが三回目はどんな副作用が出るのか怖い、どうなるのかよく分からないからだ。



 そして、年金がおりはじめてから少し経つが、部屋の様相は以前と一変してしまっている。


 歩くスペースが、ほとんどなくなったのだ。


 以前からあまり物を片付けられなかったのだが、病の所為で気力を持っていかれてしまい、片付けられないでいる。


 動けないのだ、見えてはいる。


 だが、ちょっと整理すればいいだけの話ができないのだ。


 かろうじてゴミをまとめたり、捨てに行くことはできているが。



 後、年金が入ったとは言っても特に大きく生活が変わることはなかった。


 少し物は増えたが――


 ただなぜか、物を買うとオヤジが怒るのだ。


 欲しいものにしか、手を付けてはいないはずなのだが。


 買い物に出かけることを許されない俺にできるのは、通販やインターネットショッピングしかないというのに……。


 そこにも横槍を入れられるのである。


 これが未成人ならまだわかるが、すでに成人していていい大人になっているのにである。


 イワレルワケガワカラン――




 それを打破するには難しいことをいわされる。


 独立するしかないのだ、一人で住むのなら文句は言われない。


 ただそれは本当に、非常に難しいのだ――。




 そうして今日も、キーボードの前に座るのだ……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自伝 ヒトリゴト 御鏡 鏡 @mikagamikagami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ