第6話

「ウミ!久しぶりー」

 軽いノックのあと、満面の笑みで姉が顔を出す。

 あの日、浜辺に打ち上げられたアタシはとある家族に救われた。その一家には、一人娘がいて、本当の姉妹同然に育てられた。


 そして、今日。

「ほら、ミュー!挨拶しな!」

 姉の足に隠れるようにして、こっそり顔を見せるあの日の“ボク”である姪っ子とした。

 不安げな彼女にアタシは言葉を飲み込んで、明るく微笑む。どうか彼女が幸せに過ごせますように。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

忘れもしない。あれはアタシがセクシー考古学者だった頃のこと… おくとりょう @n8osoeuta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説