このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(76文字)
――私、武蔵野ってことば嫌いなんですよね友人の円藤沙也加が主人公に言った。――存在しないものを、さも在るかのように語っているからですそして二人の武蔵野探しの旅が始まる。井の頭公園、短歌、そして民家園。そこにあるようで、でも探してみると見つからない武蔵野。それはまるで、ひっそりと隠された宝箱のよう。探すことに興味を持ち始めた彼女から、つい目が離せなくなる素敵な作品だった。