第2話 不完全なシステム
どんなシステムにでもバグはある。このゲームの場合、それが話し合いってだけで
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「調子はどうだ?」
後ろの友人がそう語り掛けてきた
「コーヒーをどうも」
「おう」
ここ1ヶ月近くそんな会話ばかりだ。
「どうだ『完全マニュアル』の調子は」
「今のところ順調だよ。たまにイレギュラーなオブジェクトが出現するけど」
そう、今俺たちは完全マニュアルというプログラムを動かしている。
内容は簡単だ、いわゆる文明シミュレーション的なものだ。ただし、量子レベルでの演算だがな。
そんなことをして何になるかと言うと、はっきりいってただの自由研究のようなものでしかない。
でも、暇になったらたまに神として振舞っている。
今はデスゲームを開いているところだ。皮肉なことに、デスゲームの名前は『完全マニュアル』だがな。
「今何倍で動かしてるの?」
友人がそう訪ねてきた
等倍だよ、と答える。
何故かと言うと、正確性が欲しいからだ。
別に、研究のために正確性が必要な訳では無い。
ただ、僕の気分だ。
研究のためだけならば、その気になれば0.1秒で終わる。
しかし、そうしない。何故なら、彼らは
生きているからだ
完全マニュアル @Bkl
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